ずっと、一緒にね



気付かなかったことに突然気が付いた瞬間に。
その瞬間に、世界が全く別な色になったの。


――――気付いた時には、もう戻れなくなっていたから。



「…ク、クリフトっ?!」
突然自分に抱きついてきたクリフトにアリーナは、ただひたすらビックリするだけだった。振りほどこうと力を込めたが、抱きしめる腕の強さにそれも叶わなかった。否、その力の強さに驚いて、アリーナは普段の力を出すことが出来なかったのだ。
「姫様好きですっ!!」
そしてもっと。もっとアリーナの思考を停止させる言葉を言って。そして。そしてそのまま再び抱きしめられて、頭が真っ白になった。
「…す、好きって…クリ…フト?……」
「好きです。姫様、私はずっと姫様だけをっ!」
見下ろしてくる真っ直ぐな瞳。その言葉の中に混じっているお酒の匂い。普段のクリフトならば絶対に自分に対してこんな事はしないし、このお酒が今のセリフを言わせているのはアリーナには分かった。分かったけれど、今の自分にはどうすることも出来なかった。
こうして抱きしめてくる腕を解くことが…アリーナには、出来なかった。


何時も絶対に一番だって思っていた。
女だからって、負けることはないと思っていた。
自分は誰よりも強くて、そして負けたりしないって。
絶対に負けたりしないって、思っていた。

なのに、今自分はこの腕を振り解けない。
抱きしめてくる強さに、抵抗できない。


「…姫様、好きです…」
熱に浮かされたような、熱い瞳。こんなクリフトを自分は知らない。まるで別人のようで。
「…好きです……」
知らない人のようで。こんな風に自分を抱きしめ、好きだという彼を。でも。
「…クリフト……」
でもこころの中で怖がっていながらも、何処かで喜んでいる自分がいたから。


びっくりしたままクリフトの顔を見つめていたら、そのまま覆い被さるように口付けられた。引き剥がそうと服に手を伸ばしたが、それも寸での所で降ろされる。思いがけず優しい口付けに、アリーナの意識が溶かされて。
「…あっ…やめ……」
唇が開放されて拒絶の言葉を口にしたアリーナ自身の方が、驚いた。その声の思いがけない甘さに。自分の声の、甘さに。
「…姫様…私は…」
「…あっ…んっ……」
そして再び唇が塞がれる。先ほどよりももっと。もっと深い口付けが自分に与えられる。顎に手を掛けられ唇を開かされ、そのまま舌が忍び込んでくる。その瞬間、むわっと酒臭い匂いがアリーナの口中に広がった。
「…んっ…はぁっ…ダメ…んんっ……」
逃れるアリーナの舌を強引に絡め、クリフトはその口中をたっぷりと味わった。根元から吸い上げ、そのまま深く絡め取る。角度を変えて何度も何度も口付ければ、アリーナの腕が何時しかクリフトの背中に廻っていた。それはアリーナに不思議な感覚を呼び起こした。

…そう、知らなかった。クリフトの背中がこんなにも広かったと言うことを……

広い背中。思いがけず強い腕の力。
そして強い、瞳。例え酔いが言わせた言葉とはいえ。
その瞳はひどく。ひどく、真剣で。
そして自分を射抜くように、真っ直ぐで。

その瞳が、ひどく真剣で、真っ直ぐだったから。

「…あっ……」
唇が開放された頃には、アリーナは一人では立っていることが出来なくなっていた。必死にクリフトの背中に…その広い背中にしがみついてがくがくと震える脚を堪えた。
「…姫様…私の姫様……」
再びクリフトの唇がアリーナの口許に降りてくる。そしてそのまま零れ落ちる唾液の筋を辿った。それは優しく。すごく、優しかったから。

…どんなに我を失うほどに酔っていても…クリフトは自分に優しかったから……

「…クリ…フ…ト……」
抱きしめて、髪を撫でる指。唇から零れる唾液を舐める舌。
「…姫様…ずっと私は……」
そのままそっと身体を抱き上げられた。まるでお姫様のように。
「…姫様だけの…神官です……」
可笑しいね、私姫なのに。こんな風に自分がされることを夢にも思わなかった。
「…好きです、誰よりも…ずっと姫様だけを……」
こんな風に抱き上げられて、そして。そして額に口付けられるなんて。
「…クリフト…その言葉…酔ってない時にも…ちゃんと言ってね……」
それが貴方なのも夢にも思わなかった。けれども。けれども、貴方で良かった。


気が付いた、こんな時になって気が付いた。
私、クリフトが好きなんだって。
好きなんだって、気が付いた。
強い人がいいってあれほど思っていたのに。
自分よりも強い人がいいって思っていたのに。
でも今は。今は自分よりもずっと。

…ずっと…優しいひとが…いい……


背中と頬に冷たいシーツの感触が当たって、一瞬アリーナはぴくりとした。けれども次の瞬間に覆い被さってきた身体の熱さに、そんな冷たさなんて忘れてしまったけれど。
「…あっ……」
不器用な仕草で服を脱がされ、剥き出しになった乳房をクリフトの手が掴んだ。それは壊れ物を扱うかのような丁寧さで、アリーナの身体を小刻みに震わせた。
「…あぁ…はぁっ……」
見かけよりもずっと大きな手が、アリーナの胸を包み込む。大きくはなかったが十分形よいソレは、クリフトの手のひらにすっぽりと納まった。
「…あぁんっ…クリ…フトっ……」
こんな風に他人に触れられるのは無論初めてだったし、自分から触れることもなかったソレは、アリーナに未知の感覚を呼び起こした。指の感触をまるで全身で感じているような、そんな感覚。そこだけに熱が集中しているような、そんな感覚。
「…あぁっ…はっあっ!」
「…姫様……」
不意にクリフトの手に力がこもり、強くアリーナの胸を揉んだ。その刺激にびくんっとアリーナの身体が跳ねる。それを確認するかのように、クリフトは外側の柔らかい部分を揉みながら、尖った乳首を摘んだ。痛いほどに立ち上がった胸の果実を、指でぎゅっと摘む。そうする事で、果実は真っ赤に色付いた。
「…あぁっんっ…あっ…やんっ……」
意識が遠ざかってゆく。身体がふわりと宙に浮く。自分が自分でないような、そんな感覚に、アリーナは身悶えた。
「…姫様のココ…可愛いです……」
「…あんっ!」
開いていたほうの胸にクリフトは唇を寄せると、そのまま口中に含んだ。そして舌先でちろちろと舐める。たっぷりと唾液で濡れるまで舐めると、そのまま軽く歯を、立てた。
「…あぁ…やぁっ…ん……」
その刺激に耐えきれずアリーナの目尻から大粒の涙が零れてくる。それに気付いたクリフトが胸から一端顔を離すと、そのまま零れ落ちる涙を指と舌で拭った。その感触に飛びかけていたアリーナの意識が引き戻されて。そして。
「…クリ…フト…全部……」
「…姫様……」
「…全部…憶えていてね…酔いが覚めても…ちゃーんと…でないと」

「…私…許さないわよ……」


震える手を伸ばして、アリーナはひとつ。ひとつクリフトの頭をこつんっと叩いた。
そして。そして子供のような笑顔でにっこりと、微笑った。


「―――あっ!」
脚を広げられて、そのまま密部にクリフトの指が入ってきた。先ほどから施された愛撫で微かにソコは濡れていたが、それでも初めての異物の侵入に指とはいえ、中々受け付けてくれなかった。
「…くふっ…ぅっ…はふっ……」
それでもクリフトの指は焦る事はなかった。ゆっくりとアリーナの中へと入ってくる。媚肉を解しながら、アリーナの感じる個所を探り当てソコを集中的に攻めながら。
「…はぁぁっ…あぁ……」
次第に声が艶めいてくるのを感じて、クリフトは中に入れる指の本数を増やした。媚肉を押し広げるように指を入れ、そのまま中をくちゅくちゅと掻き乱す。そうするたびに指先に湿り気を感じ、そのぬめりを内壁に擦りつけた。
「…ぁぁ…はぁ…あぁ……」
たっぷりと中を濡らし花びらがほぐれた所で、クリフトは指をそっと引き抜いた。その刺激にすらアリーナの瑞々しい身体は、びくんっと反応を示す。
「…姫様…私は…今…酔っています…自分で何をしているんだと思いながらも…でも止められません……」
「…クリ…フ…ト……」
「…でも…姫様を思う気持ちだけは本物です…だから……」
クリフトの手がアリーナの腰に掛かると、そのまま入り口に取り出した自身を当てた。それは熱く脈打ち、激しくアリーナを求めていた。
「…うん…クリフト…分かってる…貴方が不器用な人だって…そして誰よりも真面目な人だって…分かっているから……」
そんなクリフトの背中にアリーナは腕を廻して。そして。そして目を、閉じた。


「ひああああっ!!!」


ビキーっと引き裂かれる音ともに、アリーナの中にクリフトが挿ってきた。指とは比べ物にならない硬さと巨きさが、アリーナの柔らかい媚肉を傷つける。どろりとした感触が白いアリーナの太股に伝わり、それが血だと気付く頃には、ふたりの身体はしっかりと結びついていた。
「…あああっ…いたぁぁっ!……」
「すみません姫様…でも…このまま……」
いやいやと首を振りながら、クリフトの背中に爪を立て、アリーナは内側から襲う衝撃に耐えた。それでも引き裂く痛みは消えずに、その綺麗な顔に幾筋もの汗と涙の線を零させた。
「…あぁぁっ…痛っ…痛いよぉ…クリフト…あぁぁ……」
「…姫様……」
「…あっ…」
宥めるように髪を撫でながら、何度も何度もクリフトはアリーナに口付けた。このまま激しく揺さぶって、欲望を吐き出したい衝動を堪えながら。堪えながら、必死にアリーナを宥めた。
「…はぁっ…クリ…フト……」
痛みは、消えない。貫く痛みは、消えない。けれども。けれどもそれとは別の所で、感じた。別の所が、感じた。こうして触れてくるクリフトの優しさに…アリーナの『雌』の部分が、感じた。
「…あぁ…もぉ…もぉ…大丈夫…だから…いいよ…クリフト……」
濡れた瞳が、クリフトを見上げた。綺麗だった。何よりも、綺麗だった。今までクリフトが見てきたものの中で、何よりも綺麗なもの、だった。
「…姫様…いいえ…アリーナ様…私の……」
「…クリフト……ああっ!」
アリーナの腰を掴むと、クリフトはそのまま激しく揺さぶり始めた。接合部分がくちゃくちゃと濡れた音を立てる。粘膜が擦れあって、激しい摩擦を生んで。
「…ああああっ…あぁぁ…クリ…フ…ト…あああっ!……」
そして。そしてそこから熱が全身に広がって。広がって、このまま。このままぐちゃぐちゃに溶け合って。溶け合って、そして。
「―――あああああっ!!!」
中で弾けるような感覚がアリーナに襲ったと思った瞬間、中に熱い液体が注がれた。



ずっと、一緒だったよね。
思えば私たちずっと。ずっと一緒だったよね。
どんな時もクリフトがそばにいた。
何時も私の、隣にいた。どんな時も、一緒だった。
私昔からおてんばで、身体中に傷ばっか作っていたから。
だからそんな私を何時も心配そうに見つめながら。
それでもちゃんと私の傷を直してくれたから。
何時も何時も、直してくれたから。


だから私どんな事でも、立ち向かえたの。貴方がいてくれたから。




「…ひ、姫様…その……」
腕の中でもぞもぞと動いたらクリフトのすまなそうな声が頭上から降ってきた。その声に思わずアリーナは笑って…笑ったら痛みが襲ってきて途中で止まってしまったが。
「ああ姫様っ!すみませんっ痛いですよねっ!酔っていたこととはいえ私は…その……」
その…と言いかけたクリフトの唇を、アリーナは自らの唇で塞いで。塞いで、そして。

「…謝ったら…許さないからね……」

そして耳まで真っ赤になりながら言った、アリーナに。そんな彼女にクリフトも同じように真っ赤になりながら。ふたりして真っ赤になりながら、見つめあって。そして。




「…謝りません…姫様が好きだから……」


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