独占欲


―――君を誰にも、渡したくなかった。


他の誰にも君を渡したくない。
ただ独りの君。ただ独りのひと。
俺にとってただ唯一欲しかったものは、君だけなんだ。
俺は、君だけが欲しかった。


背後から抱きしめて、貪るように口付ければ。腕の中の華奢な身体が、ぴくんっと震えた。
「…やめっアレ…っ」
唇を離せば上目遣いに睨み付けてくる。その瞳がイヤで、再び深く唇を塞いだ。顎に手を掛け、唇を開かせ、そのまま舌を絡め取る。それだけで、腕の中の身体は小刻みに震える。
「…んっ…んん……」
無理な態勢からの口付けに、君は眉を顰めながら抵抗をした。けれどもそれもより深く絡め取った舌のお陰で力が弱くなる。抵抗できないほどにたっぷりと口内を味わって、俺は君を開放した。
「…なんで…こんトコで…いきなりっ……」
まだ幼さの残る瞳が向きになって俺を睨み付けてくる。けれどもその瞳は先ほどの口付けのせいで濡れていて、余り効果はなかったのだが。
「君がマリアを見ていたから」
そのまま力の入らない身体を自らへと向けさせ、そのままもう一度抱きしめた。今度は君の顔が、俺の胸にうずまるくらいに。
「…って何だよ、それっ!……」
耳まで真っ赤にしながら、怒り出した君が愛しい。子供のように直ぐにむきになって、それでも。それでも真っ直ぐに見つめてくる瞳が…何よりも愛しい。
「言葉通りだよ、カイン。俺は君が俺以外を見ているのがイヤなんだ」
「ってだってマリアは仲間だろっ?!大事な仲間…んっ!」
再び俺はその唇を塞いだ。反撃できないように、深く。深く唇を塞いで、そして絡めとって。そのまま。そのまま力の入らなくなった身体を、その場に押し倒した。


気が、付かない?君はまだ気付いていないの?
マリアを見ている君の瞳は。君の瞳は奪われている。
彼女に、奪われている。その瞬間が俺は。
俺は許せない。何よりも、許せない。


…俺は君を誰にも渡したくないんだ。君を他の誰にも…渡したくないんだ……。


「…あっ…やめ…あぁっ……」
胸元をはだけさせ、そのまま浮かび上がった鎖骨に口付けた。少年特有の瑞々しい肌に、きつく紅い痕を残す。君が、俺だけのものだと示すように。
「…あぁっ…アレ…ンっ…あんっ……」
何度か鎖骨のラインを舐め上げて、そのまま胸の果実に舌を下ろした。ぷくりと立ち上がった赤い果実に、カリリと歯を立てる。その途端ぴくんっと腕の中の身体が震えた。
「…ダメだって…こんな…あぁ……」
「ダメかどうかは、その身体に聴かないと分からない」
「――あんっ!」
ぎゅっと胸を指で摘みながら、もう一方の手で君自身に触れた。それは既に微妙に形を変化させていた。
「…あぁ…ん…ダメ…ソコ…はっ…はぁっ……」
手のひらで包み込めば、どくどくと熱く脈打つのが分かる。それを確かめながら俺は指でラインを辿り、先端に爪を立てた。その途端身体に電流が走ったように、君はびくんっと跳ねた。まるで鮮魚のように。
「…ああっ…ダメ…だって…僕っ…あぁ……」
何時しか指先に先走りの雫を感じる。そのぬめりを指先に掬い上げると、そのまま最奥へと忍ばせた。閉ざされている入り口を、濡れた指がこじ開ける。
「…くふっ…ひぁっ……」
初めてではないのに、君のココは何時も初めてのような反応を寄越す。侵入した指をきつく締め付け、動くことを許さないとでも言うように。
「…くぅっ…ん…あっ……」
それでも俺は根気よく蕾を解した。そうしなければ自身を侵入させる事すら出来なくなるのだ。そのくらい、君の中はきつく狭かった。
「…ヤダ…痛い…っあぁ……」
口では痛いと言いながらも声が艶めいてくる。それを確認すると、俺は指を一気に引き抜いた。その刺激ですら敏感な身体は、びくんっと震えた。そして。
「―――行くよ」
そしてその返事の答えを待つ事無く俺は、その細い身体を一気に貫いた。


君が気付く前に。君が考えてしまう前に。
君が何も考えられなくなるように、俺は。
俺は君を手に入れる。君の全てを手に入れる。
何も考えられなくなるくらいに、全てを。
君の全てを、俺はこの手に入れるから。


「ああああっ!!」
形良い君の眉が苦痛に歪む。それを見下ろしながら、俺は強引に腰を進めた。そうしなければ君の狭い入り口は閉ざされて、侵入ですら拒むだろうから。
「…あああっ…はぁぁぁっ……」
一端根元まで突き入れて、動きを止めた。そのまま綺麗な君の顔を見下ろす。苦痛と快楽の狭間で揺れる、君の表情を。
「…カイン…好きだよ、カイン……」
その表情を見つめながら俺は何時も、この言葉を告げる。君の意識が飲まれて、俺の言葉の意味すら理解できなくなるこの瞬間に。この瞬間に、俺は全ての想いを告げる。
「…あぁぁっ…ああんっ…あ……」
目尻から零れ落ちる涙。口許から零れる唾液。その全てが。その全てが俺にとって愛しく、そして。そして何よりも手に入れたいもの。この俺しか知らない君の表情を、全て。全て手に入れたくて。そして誰にも渡したくないから。
「…愛している…カイン…俺だけの……」
「――――あああっ!!!」
仰け反らせて喘ぐ喉に口付けながら、俺はその身体の中に熱い欲望を吐き出した。



君を誰にも。誰にも渡したくない。
君を俺だけのものにしたい。
髪の先からつま先まで、全部。


全部俺だけの、ものに。



「…カイン…俺の……」
意識のない唇に口付けて、そして愛を語る。
「…俺だけのものだ……」
君に気付かれないように。君に気付いて欲しいかのように。
「…俺だけの…ものだ……」
どちらが俺の本音か何時しか分からなくなっていた。


君に気付いて欲しいのか、君に気付いて欲しくないのか?


ただ言える事はひとつだけ。もしも君が俺の醜いまでの独占欲に気が付いた時。
その瞬間に君が俺から離れようとするのならば。その瞬間、俺は。





俺ははきっと全てを捨てても、君を俺の中に閉じ込めるだろう。




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