地上の闇



何時か、与えられる日がくるのだろうか?
こんな私にも、光が。優しく暖かい光が。


―――こんな私でも…しあわせに…なれるのだろうか?



もうどのくらいの時間がたったのか…ソフィーヤには分からなくなっていた。何も分からずにただ。ただ目の前にあるグロテスクな男のモノを口に咥えさせられていた。
「…んっ…んんんっ!!」
喉までつかえるほどの大きなモノにソフィーヤの顔が苦痛に歪む。その顔が目の前の男を益々興奮させ、ソフィーヤの口中のモノを大きくした。
「へへへ、大分上手くなったじゃねーか。ねぇちゃんよ」
「うぐっ…んんっぐふっ!!」
髪を掴みぐいっと男は腰を押しつけた。そしてソフィーヤの口の中で肉棒の抜き差しを繰り返すと、そのまま「うっ」とうめき声とともに彼女の柔らかい口の中に自らの雄の欲望を吐き出した。
「ちゃーんと飲みなぁ、たっぷりとなぁ」
どくどくと口の中に注がれる生臭い独特の匂いのする液体を、それでもソフィーヤは懸命に飲み干した。飲み干すしか…自分にはなかった。


時間の感覚が麻痺して、心が麻痺して。
何もかもが、凍り付いてしまえばいい。

そうしたらもう、苦しくない。そうしたらもう、哀しくない。

全ての感情が麻痺してさえしまえば。
もう余計な事は何も考えなくていいのだから。


この地下牢に閉じ込められてどのくらいが経ったのか、もう自分では分からなくなっていた。
突然現れたベルン軍に捉えられ、そして。そして気付けばこのじめじめとした牢獄に捕らえられていた。
捕らえられた途端数人の男に取り囲まれ、着ていた衣服を破られた。そして自分でも触れた事のないような場所をその大きな指で抉られ。まだ発育しきってない胸を鷲掴みにされて。
「いやあああああっ!!!」
普段しゃべる事すら不器用で他人と口を聴く事すら少なかった自分悲鳴を上げて。そして。そしてまだ女として成熟していない器官に男の欲望が捻じ込まれる。快楽すらもろくに知らない身体に、その凶器が。
痛みしかなかった。裂けた割れ目からどろどろとした血が零れて、それを潤滑油に雄の欲望が捻じ込まれ。
悲鳴すら痛みで出ない口からは唾液がぽたぽたと零れるだけだった。目尻からは涙が零れ落ち、綺麗な顔を汚す。
それをニヤニヤとしたいやらしい笑みを浮かべながら、周りの男たちは少女の身体を貪った。貪り続けた。
意識が途切れる寸前までその責め苦は続き、そして。そしてそれは何時しかソフィーヤの日常になっていた。


私を、石にしてください。
そうしたら傷つけられても痛くないから。
そうしたら心すらもなくなれるから。
与えられた快楽も分からなくなって。
そして何もかもが全部。

―――全部無に還えれるから……


今日も男は小さな獲物を甚振るために、この監獄に足を踏み入れその身体を犯す。
「…い、…いや…です…もう…もう…許し……」
その言葉をソフィーヤはどれだけ告げただろうか。無駄だと分かっていても、それでも告げる。けれども男はソフィーヤをよつんばえの格好にさせると、そのまま腰を高く持ち上げた。
「イヤっていいながらもお前のココはこんなにも汁をたらしているぜ」
「…いっ…いやっ…あっ…あぁっ…」
大きな指がソフィーヤの花びらにずぷりと埋めこまれる。それは言葉通りにとろりとした蜜で濡れていた。
その蜜を指で擦りながら中をぐちゃぐちゃと掻き回す。そのたびにソフィーヤの媚肉が指をきつく締め付け男を悦ばせた。
「…ああっ…はぁっ…あふうっ……」
何度も繰り返される陵辱にソフィーヤの身体はオンナとして目覚めていた。いやだと頭では思いつつも身体は刺激に敏感に反応してしまう。
どんなに理性がイヤだと拒否しても、本能には身体が逆らえなかった。
「…はぁんっ…あぁ…いやぁっ……」
男の指の動きが止まると、無意識にソフィーヤは腰を振った。刺激が欲しくて堪らずに。
そのたびに剥き出しの白い乳房が揺れ、視覚的にも男たちを楽しませる。
「へへへ、欲しいんだろ。もっと刺激がな」
「はぅぅっ!」
剥き出しになったクリトリスを男の太い指が摘んだ。
それをぐりぐりと押し潰すように握ってやると、耐えきれずにソフィーヤの身体が痙攣を起こす。びくびく跳ね、長い髪が揺れた。
「ああっ…ああんっ…あんあんっ!」
もう口から零れるのは喘ぎだけだった。否定の言葉すら…零れなかった。そして。
そして指を引き抜くと後ろから男はソフィーヤを犯した。



――――私を石にしてください……



「あああんっ!!ああんっ!!」
指とは比べ物にならない異物の大きさにソフィーヤは満足したように喘いだ。もうその瞳は何も映さずただ快楽を貪る雌猫に成り下がっているだけだった。
「いいぜ、たまんねーな。おらっ」
「あああっ…あああ……」
ぐいぐいと腰を打ちつけられ、ソフィーヤの細い身体がびくびくと跳ねる。そのたびに媚肉はきつく男の肉棒を締め付け、淫らに絡みついた。
「へへへこんなに締め付けやがってよぉ。千切れちまうぜ」
「…あぁ…あぁぁ…もっ…もうっ…いやぁっ……」
揺れる小ぶりの胸を背後から掴み、尖った乳首を摘みながら男はぱんぱんと腰を打ちつけた。
抜き差しを繰り返されるたびに硬く太くやってゆく楔に、ソフィーヤの思考は奪われ逃れられない快楽に溺れてゆく。
逃れられない、女としての本能へと。そして。
「ああああああっ!!!」
どくんっ!と音ともに体内に注ぎ込まれた熱い液体に、満足したようにソフィーヤは喘いだ……。



剥き出しの秘所からは精液が滴り落ちている。白い身体にも溢れるほどに注がれ、髪からもぽたりと白い雫が滴った。
「…光…は…ないの?……」
遠ざかる足音をぼんやりと聞きながらソフィーヤは呟いた。誰にも聴こえない声で、ぽつりと。
「…私に…光は…ないの?……」
けれども今はまだ。まだその声を聴く者はいなかった。まだ彼女に与えられる光は…遠かった。



何も望まず、何も願わず。ただ静かに。
ただ静かに生きてゆきたかった。
俗世に捕われず、ゆるやかな流れの中で。
ただそっと。そっと静かに。


生きてゆきたかっただけなのに。




…ただそれだけ、だったのに……