淑女



何でもするよ。何だって出来るよ。俺、あんたの為だったら、どんな事でもするから。だから、褒めて。よくやったって、俺の一番大好きなその手のひらで頭を撫でて。


「―――ほら、もっと口を開けよ」
頭上から告げられる言葉に命じられたままラディはその唇を開いた。口内には男のモノがみっしりと詰まり喉の奥まで突き刺さっていたが、それでも懸命に限界まで口を広げた。
「…よし、そうだ…そうもっと舌を使え……」
さっきまで余裕を見せていた声色が次第に快楽のせいで掠れてくる。それを何処か遠い場所で聴きながら、ラディはそのモノに舌を這わせる。とろりとした先走りの雫が口の中に広がってきて噎せそうになったが、必死になってその衝動を堪えながら。
「…んんんっ…ふっ…んんんっ!……」
先端の割れ目を舌で突き、側面をちろちろと舐めた。それを何度か繰り返し、再び限界まで膨れ上がったソレを口に含み、そのまま上下に顔を動かした。
「…はぁ…はぁ…イイぞ…もっと…もっとだ…」
「―――んんんっ!!!んんんんっ!!!!」
男の手がラディの紅い髪を鷲掴みにし、そのまま自らへと引き寄せた。乱暴に髪を掴まれ何度も何度も口中に肉棒を突っ込まれる。喉の奥まで侵入する楔の息苦しさに目尻から生理的な涙が零れてくる。けれども、それが開放される事はなくて。
「…いいぞ…出すぜ…ほらっ全部飲めよっ!!」
「――――っ!!!」
ドピュっ!という弾けた音ともに生臭い液体がラディの口内に広がる。そのすえた雄の匂いに眩暈を覚えながらも、命じられた通りに飲み干した。口許に一筋の精液が伝ったが、それすらも気付けないほどに…飲み込むことが精一杯だった。


その言葉の意味が出来ないほどに無邪気な子供でもなかった。下種な男どものにやけた笑いの意味も、分かっていた。
『金が、いるんだろ?だったら…どうすればいいのか分かんだろ?』
ああ、そうだ。俺はお金がいるんだ。あんたの妹の為に。違う…あんたの為にお金が必要なんだ。あんたの為に。そうあんたの為なら俺なんだって出来る。どんな事だって、出来るんだ。だから。
数人の男に取り囲まれ、衣服を剥かれた。後ろから羽交い締めにされて、そのまま胸を嬲られた。別の男が剥き出しになったモノを口の前に持って来る。だから俺はそれを咥えた。本当はあんた以外のモノなんて嫌だったけど…でも金になるのなら…あんたの為ならば。

――――俺はあんたの為ならば、何だって出来るんだ。何だって、出来るよ……


口許に飲みきれなかった精液が伝わる。ぽたり、ぽたり、と。それがひどく煽情的で男達の欲望をさらに煽った。
「イイ顔してるぜ、ガキの癖にな」
「ってお前ばかりイイ思いしやがって…次は俺の番だぜ」
ラディの背後にいた男が自らの方に身体を向けさせると、目の前に脈打つ肉棒を突き出す。その先端が唇をなぞり、そのままその中に捻じ込んだ。
「…あっ…!…んんんんっ!!…」
「ほぅ…こりゃイイぜ。ほら、もっと咥えな」
腰を押し付け、激しく肉棒を押し込む。そのたびにラディの顔が苦痛に歪み、再び目尻から雫が零れてくる。それを見ていた男がまた欲情し、先ほど果てた筈のペニスをラディの手のひらに握らせた。そのまま上から手を握り、強引に擦らせる。その摩擦に手の中のモノがどくどくと熱く滾ってゆくのが分かって、首を無意識に左右に振った。
「この状況でイヤイヤか?それは許さねーぜ。それにお前金がいるんだろ。だったらもっと身体で稼ぎな」
「そうだ、後がつっかえてんだからよ。ハハハハ」
口を犯され手を犯され、言葉で犯され、それでも自分から逃げる事は出来なかった。自らが望んでした事だから。自分が決めた事だから。
「ほらよっ!」
「―――あああっ!!!」
限界まで口の中で膨れ上がったソレが突然消失する。疑問に思う前に、生臭い白い液体が顔面に注がれる。それと同時に手のひらにも精液がかけられた…。


取り囲んでいる男の数を正確に数える事は出来なかった。そうする前に沢山の手がラディの身体を弄り、肉棒を擦りつけてくる。尖った乳首にペニスの先端を擦られ、そのまま一気に白濁した液体を吐き出される。
「…やぁっ…ソコはっ…そこは…だめだっ!!!」
別の男の指がラディの一番深い場所を弄った。閉じられた蕾に太い指がグイッと挿ってくる。その刺激にハッとして股を閉じようとしたが、別の男の手で限界まで脚を広げられてしまい閉じる事は叶わなかった。
「何を今更言ってんだよ。ここまで来て女みたいな事言ってんじゃねーよ」
「…約束が違うっ…ソコはしないって…」
「ここまで来たら男は止められねーんだよ。金は弾んでやるからよ、諦めな」
ぐいっと中で指が折り曲げられる。その痛みにラディは首を何度も振った。けれども動きは止まることなく、中を激しく掻き回す。
「やだっ!!やだっ!!やだぁっ!!!」
「うるせーな、これでも咥えてろ」
「―――っ!!んぐっ!!!」
別の男の肉棒が口に強引に捻じ込まれる。その間にも蕾を犯す指の動きは止まる事はなかった。何度も何度も抜き差しを繰り返し、そして。
「待ってな、今指よりもイイもんをやるからよ」
そして指がずぶりと引き抜かれる。それと引き換えに指とは比べ物にならない硬くて巨いモノがラディの入口に充てられる。その感触にラディの身体がびくんっと震えた。
「へへへへ、いい反応だぜ。ほらよっ!」
「―――!!!ぐふっ!!ぐーーーっ!!!!」
メリメリと引き裂かれるような音ともに男の凶器が捻じ込まれてゆく。それは圧倒的な巨きさで、ラディの狭い蕾を犯した。
「ぐうっ…うううっ!!ああああああっ!!!」
あまりの痛みに咥えていたソレが外れ、口から激しい悲鳴が零れる。けれどもそれすらも暴走した男達には劣情を煽るだけだった。
「ハハハハ、ほらっもっと叫びな。叫んだって抜かねーからな」
「あああっ!!やあああああっ!!痛いっ!!痛いよぉっ!!!」
がくがくと乱暴に身体が揺さぶられる。そのたびに抜き差しを繰り返す凶器にラディの顔がぐしゃぐしゃに歪む。それでも男達の暴走は止まる事はなくて。
「―――――くっ!ああああああっ!!!」
激しく貫かれ、どくどくと体内に精液が注がれる。けれどもそれで終わりではなかった。満たしたペニスが引き抜かれると同時にひくひくとしたソコからはどろりとした液体が零れてくる。それは紅と白が混じったすえた臭いのする精液だった。その秘所に男達はまた欲情をする。
「休んでる暇はねーぞ。次は俺だ」
「やぁっ!!やだぁっ!あああああっ!!」
別の男がラディの手を掴むと、背後から抱き寄せ伸しかかる。そのまま細い腰を掴み起立したペニスを強引に捻じ込んだ。幸か不幸か先ほど注がれた精液のお陰でソレはスムーズにラディの中に挿っていった。
「…あああっ!ああああっ!!!」
ぐちゅぐちゅと濡れた音がする。繋がった個所から肉の擦れる音がする。そしてそこから広がってくる熱が。それが何時しか痛みとは別の感覚がラディの身体を襲ってゆく。痛みじゃない、モノが。
「…あああっ…あああっ…あああんっ…」
「ヘヘ気持ちイイか?声がやらしくなってきたぜ」
「…違っ…ちがっ…あっ…ああんっ…あっ……」
首をイヤイヤと振って否定しても無駄だった。どんなに否定しても無意識に相手に合わせて腰を動かす事を止められなかった。与えられるリズムに合わせてしまう身体を止める事が出来ない。
「イイんだな、ほら。ほらイっちまいなっ!」
「やぁぁぁっん…ああああんっ!!!」
深く、奥深く突き上げられる。その刺激にラディ自身は白い液体を吐き出した。前には一回も触れられていないのに、その欲望を吐き出した…。


もう、何も分からない。分からなかった。けれども。けれどもお金になるから。お金が、もらえるから。
「…ああんっ…あんっあんっ!あああっ……」
もう何回イッたか分からない。けれどもまだ終わりじゃない。だってまだ男達が俺を囲んでいるから。だから腰を振った。こうすれば痛くないし、気持ちイイから。気持ち、イイ…。
「ほら、もっと腰を振りな。もっともっとな、ハハハ」
見上げてくる男の視線が嫌らしくねちっこい。でもそれすらも今の俺には。俺には…。
「…あんっ…あああんっ…イイっ…イイよぉっ…気持ち…イイっ……」
自ら男に跨って腰を振り続ける。痛い程張り詰めた乳首を男の手が弄る。それも気持ちイイ。もっと。もっと、シて。もっと俺を気持ちよくシテ。
「もっと…触ってぇ…もっと舐めて…もっと乳首…苛めて…いじめ…あぁ……」
もっと、イカせて。もっと良くシテ。もっと気持ち良くして。そして壊して。痛みが何処にもなくなるまで。もっと。もっと、もっと…。
「…あああんっ!!ああああんっ!!!」
身体がどろどろになる。口に手に身体に中に注がれた精液のせいで真っ白になってどろどろになって、そして。そして穢たない塊になる。でも。でもこれで。これであんたに…。


――――あんたに…ほめて…もらえる……その時は…頭…撫でて…くれる…かな?……


ちゃりん、ちゃりん、と。床に散らばる金属の音がする。大量に散らばる音が、する。
「ほら、約束の金だ。ちゃんと弾んでやったからよ。―――また楽しませてくれよ、ははは」
遠くから男の声が聴こえて、消えてゆく。雄の匂いだけを残して消えてゆく。消えないすえた臭いと大量の精液を残して、消えてゆく。それを確認してラディは意識を手放した。