CRASH



――――胸の奥に眠る私の贖罪は、決して許される事はない。

「けっ、なんだまだガキじゃんかよ」
近付いてきた男の吐く息は酒臭かった。思わずエストはその匂いに顔を背ける。それが気に入らなかったらしい、男はぐいっとエストの顎先を掴んで自分へと向けさせた。
「おいおい、お嬢ちゃん…自分の立場ってモノが分かってねえよなぁ」
「いいじゃねーか、これからたっぷり教えてやるんだからよぉ」
エストの顎を捕らえていた男の背後から別の大男が近付いてきた。がっちりとした体型とヒゲを生やした熊のような男だった。腕や胸元からは剛毛が見えている。対照的にエストの顎を掴んでいる男は痩せ型だった。ただその目は欲望に歪んでいて、まるでカマキリを思わせる風体だった。
「何も教えて欲しくなんてないわっ!」
「クク、気の強いお嬢ちゃんだなぁ。まあその憎まれ口が何処まで通用するか…試させてもらうぜ」
「な、何をっ?!きゃあっ!!」
背後にいたはずの男がエストの後ろに廻りこむと、その細い身体を抱かかえた。それから逃れようとエストは身体を捩るが、両手を拘束されていて中々上手くはいかなった。がっちりと身体を押さえられると、そのまま背後から胸を鷲掴みにされる。
「やっ!やめてっ!!何するのっ?!!」
「へへへ、決まってんだろう?なぁ」
「そうそうたっぷり可愛がってやんぜ」
カマキリに似た方の男が顎から手を離すと、エストの脚をつつつと撫で上げた。その感触がエストの背筋に寒気を起こさせる。
「止めてっ止めてっ!離してっ!!」
「ケケ、意外といい胸してんじゃんかよぉ」
「やだっ!!痛いっ!!ああっ!」
ぎゅっぎゅっと力任せに胸を揉まれ、押し潰されそうだった。その痛さにエストは身体を捩るががっしりと押さえられていてそれは不可能だった。その間にも脚を滑っていた指がじわじわと今度は上に這いあがり、何時しか脚の付け根の部分を指で柔らかく弄っていた。
胸の痛みと脚の付け根の柔らかい愛撫が、エストの感覚を少しづつおかしくしてゆく。痛みとそれ以外のものがゆっくりと背中から這いあがってきた。
「や、止めて――っ!!」
――――ビリビリッ……激しい音とともにエストの服が破かれる。それによって見掛けよりもずっと大きな胸が外に出された。ぷるんっと揺れた胸は、乳首は、ピンク色でいかにも少女のまだ熟れきっていない瑞々しいものだった。
「いやあっ!やめてぇっ…あっ!!」
尖った乳首をじかに指が摘む。ぎゅっと力を込めて抓られるとエストは耐えきれずに身体を震わせた。それを確認したかのように、付け根をまさぐっていた指がエストの秘所に辿り着くと、そのまま布越しに指を突き入れた。
「ああっ!やぁっやぁぁーーっ!!」
指は布越しに掻き分けるように花びらを犯していった。まだ乾ききった器官を容赦なく。その痛みにびくんびくんと身体を跳ねさせながら、目尻からぽろりと涙を零した。
「やぁぁ…あっ…あぁ……」
「ケケ、濡れてきたぜほら」
何度も捏ねくり回しているうちに男の指がじわりと湿ってきた。そして言葉通りに、エストの秘所からは布越しに蜜を垂らし始めていたのだ。
「…いやぁ…やめて…お願い…あぁ……」
威勢のよかった声も何時しか吐息混じりに変化してゆく。エストの意思とは無関係にソコは感じ始めていた。とろりと、液体が分泌してゆく。
「…いやぁ…あぁぁ…はぁぁぁ……」
「お前随分といやらしいんだなぁ、こんなにびちゃびちゃだぜ。ほら、布がぐしゃぐしゃで吸い込み切れないぜ」
「いやあーーーっ!!!」
ビリっ!!裂けるような音とともにエストの秘所を覆っていた布が破かれる。これで隠すものは何もなくなってしまった。一番恥ずかしい場所が男の前にはっきりと晒される。そこはどろりと蜜を垂らしながら、ひくひくと小刻みに震えていた。
「いいねぇ、ピンク色だぜ」
「ち、俺にも見せろよ」
「待てよ、順番だからな。お前はおっぱいで我慢しろよ」
「しゃーねえな、けけ」
「あっ!!」
ぐいっと限界まで脚を広げられ、ソコは晒される。いやらしい視線が舐めるように性器を見つめた。そうされている間にももう一方の男が胸を揉みしだく。
「…やぁぁ…あぁ……あっ……」
胸を揉まれながら、ざらついた舌が花びらに触れる。そうしてぴちゃぴちゃと音を立てながら舐められた。まるで犬のように。
「…あぁ…あぁぁ…はぁ…あっ!ああ―――っ!!!」
剥き出しになったクリトリスを男はかりりと歯で噛んだ。その瞬間エストの全身に電流が走り、びくんっと大きく身体が跳ねてソコから大量の愛液を分泌させた。
「ケケ、イっちまったか…まあいいさ。これからが本番だ、な」
男はぐったりとしたエストから一端身体を離すと、ズボンのベルトを外した。そして誇張したイチモツを取り出す。それはどくんどくんと脈打ち、今にも射精しそうだった。
「へへへ、たっぷり味わいな」
「い、いやっ!止めてっ!!それだけはっ!!」
再び脚を広げられ入り口に硬いモノが当たる。その恐怖にエストの身体が硬直した。しかし男はその反応を楽しむかのようにソレで入り口をなぞって恐怖心を煽った。
「クク、震えているぜぇ可愛いなぁ。男知んねーのか?」
胸を弄っていた男が耳元で囁く。その息の酒臭さにエストの顔が歪んだ。それが男には気に入らなかったらしい。より一層乱暴に胸を攻め立てた。
「いやぁっいや…止めて…お願い…お願いだからぁ…あ……」
男を知らないわけではなかった。自分にはアベルがいるから…大切な人。自分を初めて抱いた人。アベル以外の男なんて…知らない…。アベル以外なんて知りたくはない。他の誰も知りたくなんてない。
「止めてっ!お願いっお願いっ!」
エストの声が悲痛の叫びに変わる。そう知りたくなんてない。他の男にこの身体を犯されたくはない。アベル以外の誰とも…誰とも……。
「ケケ、諦めな。もう止まんねーんだよ」
―――けれどもエストの叫びは無残に打ち砕かれた。

―――ピキィ―――っ!!

内壁が引き裂かれるような音とともに男の凶器がエストのソコに捻じ込まれる。充分濡れていたとはいえ、大きすぎるソレはエストの媚肉を傷つけ血を滴られた。
「ひぁぁぁぁーーっ!!!」
「へへ、すげーキツイなぁ…たまんねーよ」
「あああっ!痛いっ痛いっ!!止めてっ止めてぇーーっ!!」
ズンズンと男のソレがエストの中に侵入する。抵抗する内壁を引き裂きながら、ずっぽりと奥まで挿入された。
「ケケ、全部入ったぜぇ。どうだい?」
「痛いっ痛い…抜いて…お願い…抜いてぇ…あぁ……」
「動くぜ、ほら」
「ヒイっ!!ああああっ!!」
がくんがくんと腰を激しく揺さぶられ、中の凶器が暴れる。動く度にソレは大きく硬くなってゆきエストを傷つけていった。
「あああっいやぁぁーっっ!!あああもぉ…もぉ…いやぁぁ……」
「ずりーぜ、お前ばかり楽しんで。俺にも楽しませろよ」
「しゃーねぇな…ほらっ後ろを使えよ」
繋がった格好のまま、男はぐいっとエストの腰を持ち上げた。抱かえていた男の前に双丘が露にされる。まだ誰も触れた事のない個所に毛むくじゃらの男の指がずぷりと埋められた。
「ひぁっ!!痛い――っ止めてっ!!」
「へへこっちは完全に初めてだよなぁ。頂くぜ」
指を数回抜き差しし解れたと思った瞬間に、男のソレが容赦なく捻じ込まれる。まだ充分に慣らされていないソレは、初めての挿入とも相成って真っ赤な血を零した。
「いやあああー痛いっ痛いっ!あぁぁぁ……」
ズンズンと量の穴を塞がれて、傷つけられる。その痛みにエストは気を失いそうになった。けれども皮肉にもその意識を止めているのもまた、その痛みだった。
ずんずんと、量の穴から楔が最奥へと侵入してくる。ソレが肉を隔ててぶつかるような感覚がエストを苦しませた。
「…いやあっ…あぁ…止めてぇ…壊れる…壊れちゃう…あぁぁ……」
揺さぶられ、肉を抉られ、苦しいはずなのに。それなのに…何時しか苦痛以外のものがエストを襲い始める。何時しか声も次第に艶めいてきた。
「…あああ…はぁぁぁっ…いやぁ…壊れるぅ…こわれちゃうぅ…あああ……」
「へへ、イイ声になってきたぜ。感じてんだろう?」
「感じてるよなぁ、こんなにきつく締め付けてんだもんな」
「…ああぁ…ああああん…もぉ…ダメぇ……」
「そろそろ限界だ。たっぷり味わいな」
「俺もイカせてもらうぜ」
それを合図にエストの中に男の精液がぶちまけられた。


「…あぁ…ああ…」
「へへ本番はまだこれからだぜ」
「…いやぁ…もお…もお…許してぇ…ぁ……」
「今度はその可愛い口でしてもらおうかなぁ?」
「いやあっ!!うぐぅっ!!」
「いいぜ、いいぜ」
「じゃあ俺は、今度はこっちに入れさせてもらうかな?」
「ううううっ!!!」


身体中の穴という穴が犯され、精液がぶちまけられる。
身体中にぶちまけられ、べとべとになる。
雄の匂いがエストの身体にこびり付いてひどく彼女を惨めにさせた。
それでも責め苦は終わる事無く続く。
獣達が欲望を満たすまでそれは終わる事は無い。

―――終わる事は…ない……



『…アベル…エストとしあわせにね…』


こんな時になって、姉の笑顔を思い出した。淋しそうに微笑っていた姉の笑顔を。本当は…本当は、私は知っている。私は、知っている。
本当は愛してあっていたのは、姉さんとアベルだって。最初から愛し合っていたのはパオラ姉さんとアベルだったって…それでも私は。私は知らない振りをして笑っていたの。
だって私はアベルが好きだったから。どんな事になっても彼を手に入れたかったから。

―――だから、嘘を付いたの。嘘を付いたの。

お姉さんはアベルの事を何とも思っていないって。
私は嘘を付いて、あの人に抱かれた。あの人を物にした。
でも知っているの…アベルは私を抱きながら姉さんの事を追っていたのを。
姉さんの面影を追っていた事を…。
―――それでも私は貴方が、欲しかったの。


『エスト、おめでとう』


ああ、これは罰なんだ。
姉さんとアベルを騙した私の罰なんだ。
嘘を付いて、貴方を手に入れたから。
私は罰を受けなければならないんだ。

本当はこうして捕らわれ陵辱されるのは姉さんの方だったのだから……


―――アベル…ごめんね…結局私は貴方に何もしてあげられない。
好きな人と無理やり引き裂いて、そしてこうして敵に捕らわれて。
貴方は祖国に刃を向けなければならない。私が捕らわれたからそうしなければいけない。
本当は戦いたくなんてないのに。本当は私の為に戦う必要はないのに。
ごめんね、アベル。ごめんなさい。それでも。

それでも私は貴方が好きなの。



意識が途切れる寸前に最期の欲望が注がれてやっとエストは開放された。全身に精液を浴びせられ、受け入れたソコからは真っ赤な血を流し、ひどく無残な姿だった。


「…これで…許してくれる…かな?……」


完全に男たちの足音が消えて、エストは掠れきった声で呟いた。誰に言うわけでもなく、そしてただ独りの相手に告げている言葉だった。


私の、罪。許されない罪。
だから私は罰を受けなければならないの。
身体よりももっと深い傷を負った姉さんの変わりに。
私は身体に傷を受ける事で。そうする事で罪を償う。

…ねえ、姉さん…それでもまだ…私は許されないのかなぁ?……


罪を犯しても、嘘を付いても手に入れたかったもの。
全てを裏切っても欲しかったもの。そしてその代償。
けれどもそれは、誰のせいでもない。誰もせいでも、ない。



…ただ私は貴方を愛しただけなのだから……