MISS YOU



―――唇が赤く染まるまで…キスをしていて……


本当は、怖かった。本当は、淋しかった。
もう二度と貴方に逢えないのではないかと思うと。
そう思うと、すっぽりと足許に深い穴が開いて。
そこに私が堕とされてゆくのを感じる。
足許から浸透する不安と恐怖に、それでも。
それでも私はずっと耐えていた。
貴方に逢えると、信じて。貴方にもう一度、逢えると。

…貴方の事を考えている時は…淋しくない……


唇が痺れるまで、キスをした。
「…んっ…んん……」
痺れても、唇を離さなかった。離したくなかった。とにかく今はどこでもいいから貴方と繋がっていたかった。
「…はぁっ…ん…アスト…リア…はぁ……」
室内に響くのはぴちゃぴちゃとした濡れた音と、私の口から零れる甘い息ばかり。そして。そして、貴方の優しい声。
「…ミディア…愛している……」
綺麗な金色の髪に私は指を絡めて、より深く口付けを求めた。自ら積極的に貴方の舌に絡み付き、貪るように吸い付いた。
「…んんんっ…ん…んん……」
唇を重ねたまま性急に互いの服を脱がした。ボタンを外す手が上手くいかないのがもどかしかった。とても、もどしかった。
「―――綺麗だよ…ミディア……」
互いに上着を脱いだ状態で初めて動きを止めた。貴方は改めて私の上半身を見つめてそう言ってくれた。嬉しかった。長い幽閉時間の中で私の身体の肉は削げ落ち、鎖骨はくっきりと浮かび上がってみっともないのに。以前のような丸みは消えているのに…それなのに貴方は『綺麗』だと言ってくれた。
「…本当に?…私何も…変わってはいない?……」
「変わっていない。君は俺の愛するミディアだよ」
こぼれる白い歯。柔らかい笑顔。私の何よりも大好きな貴方の笑顔。ああ、よかった…よかった…生きていて。生きていられて。こうしてもう一度貴方の笑顔を見る事が出来て。
「ミディア、泣かないで」
貴方の言葉で初めて私は泣いている事に気付いた。大きな手がそっと私の頬に掛かると、涙を拭ってくれた。こんな所も何一つ変わっていない、貴方の優しすぎる手。
「…ごめんなさい…アストリア…せっかく生きて逢えたのに私は…私は泣いてばかりで…」
「ううん…俺は…君の泣き顔も…もちろん好きだけど…でもやっぱり笑顔が一番好きなんだ」
「…アストリア……」
「好きだよ、ミディア」
そう言って貴方は誓いの言葉の代わりに甘いキスをくれた。泣きたくなるくらい優しい、キスを。


不安を人前で見せる事なんて出来ない。
気丈に生きる事、それが私が自らに課した事。
女パラディンと言われ、常に何処か蔑視されていた。
男だらけの騎士団の中で私はやはり浮いていた。
だから。だから人一倍強くならねばと。
肉体的に男性に勝てないなら、精神的に勝たねばと。
そう思って常に生きてきた。けれども、やっぱり。
やっぱり私は貴方の前ではただの女なの。

―――ただの恋するひとりの女なの……


「…あぁ…んっ……」
胸を揉まれ、そして吸われた。以前よりも小さくなっているでしょう?前よりも形が悪くなっているでしょう?それでも貴方はひどく慈しんで胸への愛撫をしてくれる。
「…ああ…アスト…リ…ア…はぁっん……」
軽く歯を立てられ、胸の果実を舌でしゃぶられる。ちろちろと舐められ、背筋からじわりとエクスタシーの波が押し寄せて来る。
「…ああんっ…はふぅ……」
胸を口で征服されながら、手が次第に下腹部へと降りてゆく。余す所なく私の身体を滑り、感じやすい個所を攻めたてられた。そのたびに私は恥ずかしげもなく甘い声を口から零す。
「―――あっ!」
偶然に辿り着いたとでも言うように、貴方の指が私の濡れた蕾に触れた。ソコは貴方を求めてひくんひくんと、震え始めていた。
「ミディア…俺を待っていてくれたの?」
「…はぁぁ…アスト…リ…ああんっ………」
「こんなにもぐしゃぐしゃに濡れている…俺を…求めて」
「…あぁ…そうよ…私…ずっと……」
指が花びらを掻き分け奥へ、奥へと侵入してくる。そうして剥き出しになったクリトリスに触れると、かりりとひとつ引っかいた。
「あああんっ!!」
―――ビクンっと、身体中に電流が走った。がくがくと脚が震えるのが分かる。どろりと愛液が分泌し、貴方の指をべとべとに濡らした。
「…ああん…あん…はぁ…ん…ずっと…待ってたのよ…ぁぁ……」
がくがくと震える脚を私は膝を立て、広げた。そして最も恥ずかしい部分を、貴方の目の前に暴き出す。ヒクヒクと震えて、蜜を滴らせているソコを。
「…ねぇ…見て…アストリア…私こんなにも…こんなにも…貴方を待っていたのよ……」
羞恥心も恥じらいも今の私にはなかった。今はただ。ただ私の全てを貴方に見て欲しかった。こんなにも貴方を求めている…貴方だけを求めている私を、見て欲しかった。
「うん、ミディア綺麗だよ」
「…ああ…んっ……」
貴方は広げた私の脚の間に屈み込むと、指で外側の媚肉を広げた。そして舌が伸びこんでくる。わざとぺろぺろと音を立てながら、貴方はソコを舐める。
「…綺麗だよ…ミディアのココは…綺麗なピンク色をしているよ…」
「ああ…っ…はぁっ…ああんっ……」
「蜜もこんなにいっぱい…美味しいよ……」
「…アストリア…ああん…あ…もぉ……」
「うん?」
「…もぉ…我慢出来ない…お願い……」
「どうして欲しいの?君の口から聴きたい」
「…お願い…ちょうだい…アストリアの…ちょうだい……」
私は起き上がり再び私の上に乗っかったアストリアを見上げた。媚びるような瞳で見つめ、自らの手をアストリア自身に絡めた。ソレは熱く巨きく、そしてどくんどくんと脈打っていた。
「…コレを…ミディアに…ちょおだい……」
「うん、ミディア上げるよ。欲しいだけいっぱい」
貴方の手が私の腰に掛かると、そのまま一気に中へと熱い塊が挿入してきた。


どんなに、辛くても。どんなに苦しくても。
貴方を感じていられれば。あなたをの存在を感じていられれば。
私は幾らでも強くなれる。幾らでも気丈になれる。
ねえ、アストリア私は貴方がいるから。
貴方がいるからどこまでも、強くなれるのよ。

―――貴方の存在が私を何処までも強くするの……


ぐちゃんっと濡れた音を立てながら、中の熱いモノは私の中でその存在を主張した。深く貫かれ子宮までも届きそうな激しさと熱さに身体を震わせながら。
「あああああっ!!」
がくがくと揺さぶられ身体が浮遊する。腰を激しく打ちつかれるたびに、楔は出し入れを繰り返す。その摩擦感と、挿ってくるたびに硬度が増すソレに私は喉を仰け反らせて喘いだ。夢中で喘いだ。
「あああんっはぁんっ!…もっとぉ…もっとぉ……」
パンパンと激しく打ち付けられる腰。揺さぶられる身体。熱く主張する欲望の楔。
「もっとぉ…アストリアっ…もっと…ああああっ!!」
「…ミディア…ミディア……」
「ああああ…はぁっ…イイ…イイ…アストリ…アっ……」
「…ああ…ミディア…熱いよ…君の中…凄く熱い……」
「――――あああああっ!!!!」
視界が一瞬真っ白になる。それと同時に体内に熱い液体の感触を感じて。感じてそれからはもう何も覚えてはいなかった。


好きよ、アストリア。
大好き。ずっとずっと、大好き。
もう二度と私達、離れないよね。
もう二度と私を離さないでね。
貴方だけが私を強くして、そして。

―――貴方だけが私をただの『女』にするの。


目覚めた瞬間に飛びこんできたのは貴方の優しい笑顔。私の何よりも大好きな笑顔。そして。
「おはよう、ミディア」
その言葉と同時に降りてくるのは私が何よりも大好きな貴方の、キス。



――――唇が赤くなっても…キスをしていて………