甘くて、甘くて、けれども少しだけ甘酸っぱさの残るそんなキス。ずっとしていたいけれど、ちょっとだけ切なくなるそんなキス。
「畜生、本当にお前可愛いな」
唇が離れて零れた言葉を合図にスカサハは瞼をゆっくりと開いた。まだ少しだけぼんやりとする思考は直前のキスの名残が消えていないから。
「…ヨハルヴァ…あの……」
意識しているのか無意識なのか、スカサハの身体がすり寄ってくる。まるで犬みたいに。そんな所がまたヨハルヴァを破顔させる。本当に可愛くてどうしようもない。
「ん?どーした?」
額を重ねて息が掛かる程近づいて、間近にある顔を見つめる。さっきのキスのせいで少しだけ目が潤んで、とろんとした表情をしている。こんな顔をされたら正直下半身直撃だ。それなのに。
「…もう一回キスしてもいい?…」
「バーカ、そんなこと聴かなくていい。聴かなくても幾らでもするつもりなんだかんよ」
それなのに、こんな科白を吐かれたらもう。もう自分を止める事が出来ない。止める事が出来ないから唇を重ねて、そのまま。そのまま床に押し倒した。
服を脱がしあっている時も、唇を重ねた。何度も何度もキスをしながら、素肌を触れ合わせる。どんな場所でもいいから、ちょっとでもいいから繋がっていたくて。
「…はぁっ…んっ…んん……」
舌を絡め合わせながら、髪をひとつ撫でてやれば背中に腕が廻される。そんな所がどうしようもなくヨハルヴァにとっては愛しかった。愛しいから我慢出来ずに、胸の突起に指を這わした。
「…んっ!…んんっ…ふっ……」
与えられた刺激に一瞬、絡まっていた舌の動きが止まる。けれども構わずに愛撫を続ければ、もっととねだるように口内の奥へと舌が侵入してくる。
「―――可愛いぜ、スカサハ……」
「…あっ…あんっ……」
名残惜しげに唇を離してヨハルヴァは、組み敷いたスカサハの顔を改めて見つめる。熱に浮かされたように上気した表情と快楽に潤み始めた瞳。そのどれもこれもが、もうどうしようもない程に可愛い。可愛くて仕方ない。愛しくて仕方ない。
「…やぁっ…んっ…あぁんっ……」
もっと気持ち良くさせたくて、胸の愛撫に力を込める。指の腹で擦り、ぷくりと立ち上がったソレをぎゅっと摘まんでやった。優しい愛撫よりもこうやって強い刺激を与える方が、より身体が感じると知っているから。
「…駄目だよぉ…ソコは…俺っ…あんっ…ああんっ……」
空いた方の胸を口に含んでやればイヤイヤと首を振りながら、突起を押し付けてくるのも知っている。だから濡れた音がするほど舐めてやった。
「…あぁっ…ヨハル…ヴァっ…俺…俺もう……」
脚が絡まって下半身を焦れたように押し付けてくる。それは触れなくても分かる程形を変化させ、どくんどくんと脈打っていて。
「しょうがねーな、胸だけでこんなかよ」
「…ご、ごめん…でも俺……」
「バーカ謝んなよ―――嬉しいんだからよ」
「…ヨハルヴァ?……」
「こんなお前を知ってるのは俺だけだからな」
そう告げてヨハルヴァは唇を重ねた。甘くて甘くて、そして少しだけ甘酸っぱいキスを。
軽く先端を扱いてやるだけで、スカサハの鈴口からは白い液体が吐き出された。それを指で掬うとそのまま双丘の茂みに指を侵入させた。
「…くふっ…はぁっ…ぁぁ……」
ひくひくと蠢く入り口はたやすく指を受け入れる。その刺激に果てたばかりのスカサハ自身も再び震えながら立ち上がった。
「…ぁぁ…はぁっ…あぁ…ん……」
指を折り曲げながら中を掻き乱してやれば、小刻みに身体が震える。ぎゅっと目を閉じて襲ってくる快感に必死に耐える姿は、ヨハルヴァの欲情を煽った。もう、堪らなかった。
「駄目だ、我慢できねー…挿れていいか?」
ヨハルヴァの言葉に律儀に瞼を開くのは何時もの事。こんな所ですらどうしようもなく愛しかった。その仕草一つ一つが、どうしようもない程に愛しいから。
「…うん…挿れて…ヨハルヴァの……俺の…中に……」
その言葉にヨハルヴァは指を引き抜くと、限界まで膨くれ上がった自身を入り口に当てる。そしてそのまま腰を掴むと、一気に引き寄せた。
「―――あああっ!!!ああああっ!!!」
ずぶずぶと濡れた音を立てながら、楔が埋め込まれてゆく。圧倒的な存在感が媚肉の中で膨張し、奥深く抉られた。肉のぶつかる音が室内を埋めて、スカサハの喉をのけ反らせる。その綺麗なカーブに口づければ、口から零れるのは甘い悲鳴だけで。
「気持ちイイぜ、スカサハ…お前の中熱くてキツくて…堪らねー」
動きを止めて告げてやれば、それだけで中はぎゅっと締めつけてくる。まるで離さないようにと、きつく。
「ああっ!!ヨハルヴァっ…あああっ!もうっ…もうっ!……」
その締め付けを堪能して、再びヨハルヴァは腰を動かした。抜き差しを繰り返し、より奥へ奥へと身体を貫かせ、そして。
「―――っもう限界だ…出すぜ……」
「――――っ!!!ああああっ!!!」
どくんっと弾けた音がしてスカサハの体内に熱い液体が注がれる。その熱に犯されるようにスカサハも二度目の射精をした。
意識が途切れそうになるのを必死で堪えて、力の出ない指でその髪に絡めて。そのまま引き寄せて唇を重ねた。それに答えてくれる唇の感触に安堵するようにスカサハは、意識を手離した。
「――――っ本当に…お前は…反則だぜ…なんでこんなに…可愛いんだ……」
意識を手放した腕の中の身体を抱きとめながら呟くと、そっとキスをした。意識のない瞼に、頬に、唇に。それはひどく甘くて、そして少しだけ甘酸っぱい味がした。
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