Boy Meets Girl

―――君が、大好きだから。

何時も独りで、強い君。
何でも出来る、君。
でもそんな君にも最大の弱点がある。
完璧な君の、たったひとつの弱点。

…それが『恋』することだと、気が付いたから……


何よりも大切だから、誰よりも大事にしてあげたい。
「…芝村に…取り消しは…ないからなっ!」
耳まで真っ赤になりながら、それでも怒ったような目で僕を見上げてくる君。それが羞恥心の裏返しだと分かっているからひどく可笑しかった。
―――可笑しくて、そしてとても可愛い。
「うん、分かっているよ。舞」
名前で呼んだ瞬間、全身がぴくんっと震えたのが分かった。そう言えば君の名前をこんな風に呼んだのは初めてだったような気がする。こんな風に、想いを込めて。
「…何こんな時に笑っているのだ?…」
「それは舞が可愛いからだよ」
「…あ……」
口答えをされる前にキスで唇を塞ぐ。そしてそのまま顎を捕らえて、薄く唇を開かせた。そのまま舌を忍び込ませ、逃げ惑うソレを絡め取る。
「…んっ…んん……」
君の手が耐えきれずに僕の服を掴む。しわくちゃになるほどきつく。僕はそのまましばらく君の口中を征服していたが、口許から零れてきた唾液を感じて唇を離した。
一本の唾液の糸が名残惜しそうに二人の唇に伝う。
「…厚志…息…苦しい……」
「え?どうして鼻で吸ってなかったの?」
その言葉にびっくりしたように君は僕を見上げてきた。もしかして…息していなかったとか?
「…鼻で…吸うものなのか?……」
やっぱりそうなんだ…まじまじと言ってくる君に僕はくすっとひとつ笑って、そうだよと教えた。そして口許に伝う唾液を舌で舐め取る。
「…くすぐったい……」
首をすくめながらイヤイヤとする君に、僕はひとつ微笑って。

「――これからもっと…くすぐったい事するんだよ……」

その言葉に君は耐えきれなくなったのか俯いてしまい僕の胸に顔を埋める。そんな君が僕には…どうしようもない程に愛しいんだよ…。愛しいから、君を食べちゃいたいんだ。
「…あっ…んっ……」
もう一度そっと君の唇を塞いだ。今度は言われた通りに鼻で息を吸っている。けれども慣れていないせいか、その動きはまだぎこちなかったけれども。それでも僕が舌を忍ばせて、君のソレに絡みつく頃にはその手は背中に廻っていた。
絡める舌に懸命に答えようとする君が愛しい。どんな事にも君は一生懸命だ。それがどんなことであろうとも。何時も、一生懸命だ。
「…んんっ…ん…ふぅ…ん……」
背中に廻る手に力がこもる。体重が自分の身体に掛かっているのが分かる。多分…もう独りでは支えきれなくなっているのだろう。僕はそっと君の腰に手を廻して、空いた方の手を制服のリボンに掛けた。シュルっと音がしてリボンが外れる。そのまま上着を脱がそうとしたが、背中に廻った手がそれをさせてくれない。仕方なく後ろに廻した手を上げさせるとそのままスポリと上着を脱がせた。
「…厚…志……」
唇が離れると同時に見える君の顔はほんのりと蒸気して、何処か恍惚としている。こんなに激しいキスをした事のない君にとっては刺激が強すぎたのだろうか?でもこれから…これからもっと刺激の強いコトをするのに…。
「もういいよ、背中に手を廻してて」
「…あ、ああ……」
言われた通りに君は僕の背中に手を廻す。それを確認して僕はブラウスのボタンをひとつひとつ外し始めた。
「…なんか厚志…父親のようだぞ…」
って本当の父親だったらこんなことはしないんじゃないか?と思ったが、多分子供の服を親が脱がしているような意味なのだろう。そう思ったらひどく可笑しくなった。
―――こんな場面になっても、君が君らしいことに……
ボタンを全部外すと、白いブラジャーが現れた。予想通り白なのが嬉しい。まあ君が黒い下着を付けていたらそれはそれで…なんだけどね。
「…わっ…やんっ!…」
いきなりブラの上から触れると、君の口からは妙な声が漏れた。それでも構わずに僕はその手のひらに丁度いいサイズの胸を、ブラの上からもみしだく。何度かそうしていたら、布越しでも分かる程乳首が立っていた。
「…や…ん…あ…ん……」
立った乳首を指の腹で転がしながら、背中に手を廻してホックを外した。その途端ぽろりと白い胸が剥き出しにされる。大きさはまあまあだったが、何よりも形がいいのが気に入った。そのまま吸い付こうとしたが…君の脚が限界だった。がくがくと震えて立っていることが出来ない。僕はその身体をひょいっと抱き上げて、そのままベッドの上に降ろした。
――――その間もかたくなに僕の背中を掴んでいる手が、愛しい……
「…あんっ!……」
今度こそ突起に吸い付いて、舌で転がした。そのたびに組み敷いた身体がびくびくと震える。その反応を楽しみながら軽く歯を立てながら、空いた方の胸を揉む。ぎゅぎゅっと強く揉んでやると、耐えきれず首をイヤイヤと振った。
ポニーテールの髪が白いシーツの上で波打つ。それはまるで生き物のようだった。
「…あん…あぁ……」
充分胸を弄ると、そのまま指と舌を下半身に滑らせた。キュロットに手を掛けると、そのままストッキングごと引き下ろす。
「脚、上げて」
その言葉に君は素直に従い、脚を上げた。キュロットとストッキングを脚から引きぬくと、君はパンティー一枚の姿になった。
パンティーもブラとおそろいで白なのに密かな満足感を覚えると、膝を立たせて割れ目にパンティーの上から指で触れた。
「ひあっ!」
初めて触れられる場所に一瞬君の身体が硬直する。けれども何度も指で行き来させているうちにじわりとソコが湿ってきた。
「…あっ…あぁ…はぁ……」
指先に感じる愛液の感触に満足して僕はそのまま君を纏っていた最後の布を外した。これで君を覆うものは何もなくなった。
「…厚志…は、恥ずかしい……」
流石に誰にも見られない場所を見られた恥ずかしさに、君の顔が真っ赤になる。そしてそのままシーツに顔を埋めてしまう。
「どうして?可愛いよ舞のココは」
「あっ!」
―――ビクンっ!と、身体が跳ねた。僕がじかにその花びらに触れた瞬間に。
「…やぁ…あぁ…あん……」
濡れぼそった花びらを指でなぞりながら、ゆっくりと中へと忍ばせてゆく。蜜の滴るソコは、奥へと侵入するたびに生き物のように蠢き始めた。
「…ぁぁ…はぁ…あ……」
存分に愛液を分泌させたのを確認して、僕はソコから一端指を抜く。そして自らのズボンのジッパーに手を掛けて、そのまま自身を取り出した。
このまま突っ込みたい所だが…やっぱりまだ未成年だし…と頭をよぎりポケットに忍ばせていたコンドームを取り出すと、君に見られないようにはめた。そんな僕を不思議そうに君は見ている、そして。
「…何…しているのだ?……」
―――聞かないで欲しい…いや別にいいんだけど…でもこう結構ゴム付けている瞬間って情けないモンなんだよ……。
「いいから、気にしない」
やっとの事ではめ終って僕はひとつ君にキスをした。甘い、キスを。これで記憶から揉み消してほしいものだ。
「…んっ…厚…志……」
蕩けるようなキスに君の顔が恍惚とする。その隙を逃さずに、僕は一気に君の中へと入っていった……。

「ひああああ――――っ!!」
貫いた瞬間、君の顔が苦痛に歪む。口から零れる声も悲鳴交じりだった。ビキっと音がして処女膜が破れる音がした。そこから血が流れ出す。
―――やっぱ…初めて…だよなぁ……。
何を今更確認しなくてもと思うのだが…やっぱり嬉しかったりする。ゴムを付けていても君の中はまるでナマのように締めつけて、蠢いていた。慣れていないからもあるだろうが…締めつけは最高だった。
「…あぁ…あああ……」
それでもゆっくりと腰を動かし始めれば血以外の液体が分泌されてゆくのが分かる。まあ女の子の身体はこうなるように出来ているんだから、当たり前と言えば当たり前だけども。
「…ああんっ…あぁ…あ…」
何時しか声にも艶が混じってゆくのが分かる。その声に満足して僕は、欲望の赴くままに腰を激しく打ちつける。
「…あああっ…ああぁ……」
そして何時しか君の声と表情に余裕がなくなった僕は、後はただ。ただひたすらに快楽を追うだけだった……。


―――大好きな、君。
僕だけの、君。
誰にも渡さない。
僕だけの、恋人だから。


「…終わった…のか?……」
情けないことに余裕のなくなった僕は、初めてにも関わらず抜かずに、3回も君の中でイッてしまった。もう少しリードする筈が…何だか無償に情けなくなる。
「…終わったよ……」
しかし終わったのかと聞かれるのもどうかと…君らしいといえば…らしいけれども。
「…そうか…これで…」
「うん?」
「…これで私達は『恋人同士』なのだな」
真面目な顔で言ってくる君に僕は笑わずにはいられなかった。こんなことをしなくてもとっくに恋人同士なのに…やっぱり君の最大の弱点は『恋』のことなんだね。
「ああ、そうだよ」
でもそんな君が僕にとっては何よりも…可愛いひとなんだ……。


見上げてくる瞳に笑いかけて、そしてひとつキスをした。
君が、君だけが僕の恋人だとそう。

…そう…伝えるために……


END

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