MISTY BLUE

MISTY BLUE 妖しくすべらせた
MISTY BLUE 指先に全てを

これは、夢。
僕の見ている、夢。
優しくも儚いひとつの夢。

…愛しているよ……
耳元に囁かれる言葉だけで、それだけで身体は疼いてゆく。芯から痺れて眩暈すら覚えそうなほどに。
…如月…さん……
名前を、呼んで。呼んでその指を求めた。その言葉を求めた。触れてくる冷たい指先に瞼を震わせて、息を乱して。そして。そして舌を絡める。

Let’s dance oh〜 もつれたまま
It’s like a paradiso oh〜 見つめたまま

絡め合う、舌。もつれ合う、舌。
互いの唾液を飲み干し、そして分け合う。
指を、絡めて。爪を、立てて。
そして全てを貪るまで愛し合う。

これは、夢。
君の見ている、夢。
醜くも辛辣なひとつの夢。

…紅葉…愛しているよ……
そう耳元で囁けば、君の身体は鮮魚のように跳ねる。指を余すとこなく滑らせれば、君の口からは甘い吐息が零れ落ちる。
…紅葉…僕だけの……
髪から零れる雫。ぽたりと落ちてゆく。シーツに広がる染みは、確かに現実のものだった。
君が零した雫と、微かに香る夜の匂いは。

Just in blue 感じていたいのさ
Just in blue 腰つきに世界を

闇色の瞳が僕を見下ろす。
触れたいと、思った。その奥底に触れたいと。
大切な人、ただ一人傍にいて欲しいと思った人。
全てを切り捨てた僕に唯一手を差し伸べた人。
貴方が、いれば。貴方さえいてくれたら、僕はもう。
もうどうなっても構わない。どんな事になってもいい。
今この瞬間、僕を抱いているのが貴方だと言う事実さえあれば。

Let’s dance oh〜 流れるまま
It’s like a paradiso oh〜 動かぬまま

夜に濡れた瞳が僕を見つめる。
綺麗だね、君は哀しいくらいに綺麗だよ。
僕の愛した人、ただ一人愛した人。他になにもいらないと思った。
君が、いれば。君さえいてくれたら、僕はなにも。
僕だけのものにしたかったから。
君を僕だけのものに。僕だけの、ものに。
この腕の中に閉じ込めて。閉じ込めて、永遠に。

爪の先にロマンス Oh〜 すぐに消えた
夜は恋狂うけど oh〜 誰もいない

恋を、しました。
貴方に恋を。貴方だけに、恋を。
バカみたいにがむしゃらな恋を。
こんなに他人を好きになれるとは思わなかったから。
こんなに他人を愛せるなんて思わなかったから。
自分が自分でなくなって。今持っている自分の全てが壊れて。
壊れて、そして。そして僕は。
子供のような無防備な魂で貴方に恋をしました。

MISTY BLUE Do you remember our last dance?
MISTY BLUE Do you remember “shadow dance?”

恋を、している。
君に恋を。君だけに、恋を。
子供みたいに純粋な恋を。
こんなに他人を愛する事が喜びで。
こんなに他人を愛する事が苦しみで。
どちらも僕にとって真実だったから。幸福も絶望も。
君に恋をして、そして初めて知った。
こころが壊れるという事を。魂が砕けると言う事を。

Let’s dance oh〜 Do you believe me?
It’s like a paradiso oh〜 Do you believe me?

…如月さん…もっと……
背中に腕を廻して、そして爪を立てた。綺麗な背中に僕の跡を付ける。
綺麗な貴方が僕の闇に侵食される…?
ううん、それでも貴方はやっぱり光なのでしょう。
貴方の眩しい光は僕の闇では染める事は出来ないから。
貴方の綺麗な光は、誰にも。
誰にも侵す事は出来ないから。
…もっと…奥まで……
それでも僕は貴方を求めた。深く、深く求めた。
貫かれる痛みと快楽に全てを委ねて。貴方の振動に全てを委ねて。
僕は、溶けてゆく。肉も血も体液も。
全部。全部、溶けてゆく。

爪の先にロマンス Oh〜 すぐに消えた
夜は恋狂うけど oh〜 誰もいない
爪の先にロマンス Oh〜 すぐに消えた
夜は恋狂うけど oh〜 誰もいない

…紅葉……
君の身体を引き裂いて、そして全てを手に入れる。余す所なく唇を滑らせ、滑らかな肌に紅い跡を落す。
君の全てに口付けても、僕は君を全て手に入れる事が出来ない。
君の闇。そして君の光。君は自分が闇しかないと言うけれど、それは嘘だ。
君には僕には手が届かない光がある。誰も手を触れる事の出来ない、小さな光。
それは君の純粋な心。誰にも穢せなかった君の綺麗な魂。
僕はそれに、触れる事は出来なかった。
…愛している……
それでも僕は君を犯し続ける。最奥まで抉って、君が壊れるまで。
君が引き裂かれて粉々になるまで。快楽と痛みで破壊されるまで。
君を、壊してゆく。肉も血も体液も。
全部。全部、壊してゆく。

爪先にはそっとロマンス 抱きしめれば
きっと幻ずっとこのまま そしてすぐに消えた

これは、夢。僕が見ている夢。
だって貴方はもういない。
どこにもいないから。
僕がその心臓を貫いた。僕が貴方の肉を食べた。
僕が貴方の血を飲み干して、僕が貴方の体液を貪った。
だから、これは夢。
貴方に抱かれる夢を僕はみているだけ。

恋狂えば胸切なく 堕ちてしまえば
夢幻いっそこのまま そして誰もいない

夢だよ、紅葉。これは君が見ている夢。
だって僕は君に触れられない。
僕の肉体は君の中に在る。僕の血は君と交じり合っている。
僕の体液は君の中を侵し、僕の命は君の身体を貫いた。
だからこれは夢だよ。
君が見ている夢、だよ。

「如月、さん」

目覚めて、そして名前を呼んだ。
そこには何もない。
ただシーツに広がる染みだけが現実だった。


 

End

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