私が、貴方を好きなのは。

私が貴方を、好きなのは。
貴方が誰よりも人の痛みが分かるから。
貴方が誰よりも優しい人だから。


―――だから私は、貴方が好きなのです。


見つめ合ってね、いっぱい。いっぱいキスが、したいの。
「舞子の髪はふわふわだね」
大きな手。舞子の髪をそっと撫でてくれる大きな手。何時もこの手があれば舞子は何も怖くないの。
「ダーリンの髪も、柔らかい」
真似っ子して、髪を撫でた。少しだけ前髪が痛んでいるのは、ダーリンがいっぱい戦っていたから。でもね、そんな髪が舞子は何よりも大好きなの。
「痛んでいるだろ?」
「くすくす、ダーリンやっぱり分かってるんだ…でもね、そんなダーリンが好き」
「うん、舞子僕もだよ。大好きだよ」
見つめて。見つめあってね、キスをした。いっぱい、いっぱい、キスをした。舞子はダーリンとこうしている時が、一番大好きだから。


私が貴方を好きなのは。
貴方の手が何時も傷だらけだから。
自分が一番前に立って、そして。
そして仲間を護る、から。

―――だから貴方が、大好きなのです。


キス、いっぱいのキス。
唇に、頬に、睫毛に、髪に。
首筋に、鎖骨に、胸に、素肌に。
いっぱい、いっぱい、して欲しい。


「…んっ…はんっ……」
舌を絡ませながら、身体も絡ませ合った。ダーリンの大きな手が、胸に触れる。それだけで身体がぽっと熱くなって。
「…んんっ…あんっ……」
胸を揉まれながらキスをして、息が続かなくなるくらいキスをして。そうして唇を離せば、ダーリンの顔が潤んで見えた。
「…あぁ…ダーリン…あんっ……」
「舞子、もっとここ弄って欲しいの?」
「…うん…いっぱい…いっぱい…弄って…ダーリンの手、好きだから…」
唇から零れる唾液よりも、胸を弄っている手の方が気になって。もっといっぱい感じたいから、ぎゅっと胸を近づけた。
「…んっ…ダーリン…もっと…ね、もっと…んんっ……」
胸を押し付けながら唇をまた、重ねた。言葉を零しながら何度も何度も触れ合わせる。気持ちよくて、凄く幸せで。
「舞子の胸大きいから、手のひらに収まらない」
「…だってぇ…ダーリンがいっぱい…揉んでくれるから…」
「でも大好きだよ」
「あんっ!」
唇を吸っていたはずなのに、何時の間にか乳首を吸われた。ざらついた舌が張り詰めた突起をぺろぺろと舐める。そうしながら開いているほうの胸は手で、何度も鷲づかみにされて。
「…ああんっ…ダーリン…気持ちイイよぉ…あんっ……」
ちゅっと乳首を吸われて、それを合図に手が胸から離れた。そしてそのままゆっくりとわき腹を抱えて、下へと滑ってゆく。
「…ダーリン…ココも…ね…」
その手を導くように脚を広げて、茂みを曝け出す。ソコはもう既に恥ずかしいくらいに濡れていて。
「…ココも…ね、…触って……」
「くすくす、舞子は欲張りだ」
「…だって…ダーリンの手が…好きだから…全部触って欲しいの…」
「でも僕もね、舞子よりも欲張りなんだよ」
「ひゃんっ!」
手が、触れる。濡れぼそった花びらの入り口を辿って、そのままゆっくりと中へと入って来た。ずぷりといやらしい音を立てながら。
「…ひゃあっ…あぁんっ…あんっ……」
ぐちゅぐちゅと指で掻き回されれば、ソコは生き物のように蠢いた。ヒクヒクと、切なげに。その様子をダーリンの目が、見ている。指で弄りながら、視線を巡らせているのが分かる。それが。それが凄く、恥ずかしくて。
―――今更だったけど…舞子…恥ずかしくって……
「…やんっ…ダーリン…あんま…見ないでぇ……」
「どうして?舞子のココは可愛いよ。綺麗なピンク色をしている…大好きだよ」
「…ああんっ…あんっ…ダーリンっ…あ……」
「大好きだよ、舞子が。ココも、ココも」
ぐいっともう一方の手が、舞子の後ろの穴に忍び込む。今までソコにはダーリンは触れたことがなかったから…ううん…ソコは誰もまだ触れてはいないの。
「…あぁ…そっちはダメぇ……」
いやいやと首を振って拒否しても、手の動きは止まらなかった。後ろから前から指を突き入れられ、それが中で媚肉を挟んで擦れあっている。その刺激が。その刺激が何時しか舞子の意識をぼんやりと、させて。
「全部、大好きだよ」
「…あぁ…あっ…だめぇ…ああんっ……」
指が引き抜かれて、腰を抱きしめられても。もう、分からなかった。



君が、好きだよ。誰よりも大好きだよ。
皆仲間達は大切で。皆の事大好きだけど。
でも一番、好きなのは。ただ独り選択するのは。

―――君だけだよ…舞子……


「ああああっ!!!」
一気に突き入れたら、君は喉を仰け反らせて喘いだ。その首筋にひとつ、キスをする。
「…あああっ…あああ…ダーリン…あぁんっ!」
手が伸びてきて、背中をぎゅっと抱きしめる。いいよ、この背中は君だけのものだから。君だけの場所、だから。
「…あああ…あぁ…ダーリンっ…ダーリン…」
腰を掴んでそのまま揺さぶった。抜き差しを繰り返し、君の抵抗力を感じた。何度抱いても君は僕を締め付けて。そして最高の快楽を僕に与えてくれるから。
「―――もっと、欲しい?」
「…うん…欲しい…欲しいよぉ…ダーリン…いっぱい…いっぱい…欲しい……」
「僕も舞子が欲しいよ、いっぱい欲しいよ」
「…あああっ…ああん…あんっあんっ!」
「―――出しても、いい?」
「…いいよ…出して…舞子の中に…いっぱい…」
「うん」


「あああああ―――っ!!!」


最奥まで突き上げて、僕は思いの丈を君の中へと放出した。



大好き。一番、大好き。
世界で一番、大好きだから。
舞子はね、ダーリンが一番。

一番、大好きなの。


だって知っているもん。舞子は知っているもん。
何時も人を傷つけるたびに自分が一番傷ついていて。
何時も誰かが自分の為に傷つくたびに、自分がそれ以上に傷ついて。
小さな生き物の声も、小さな花の声も。

そっと優しく、聴いていてくれている事を。



だから私は、貴方が好きなのです。




「…ダーリン…好き…」
「うん、舞子。僕もだよ」
「…いっぱい、好き?…」
「いっぱい、好きだよ」


「…君だけが…本当の僕の声を聴いてくれているから……」



だからずっと。
ずっと、一緒に。


――――ずっとふたりで、いようね。



End

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