Free World

手を繋いで、指を絡めあって眠る。
睫毛が触れ合う距離で見つめあって。
見つめあって、そして微笑う。

そんな小さな事が大事。そんな小さなしあわせが、大切。


こうして一緒にいられることが。
こうしてふたりで時を刻めることが。


夢よりも優しい瞬間を、そっと胸に宿してそして眠れたならば。



髪を撫でる指先が、泣きたくなるくらいに優しかった。けれども私は微笑った。貴方に今見せたいものが『しあわせ』だと言う想いだから。
「…龍麻さん……」
生きている、私。こうして生きて貴方に触れている私。夢のような瞬間。夢よりもしあわせな、瞬間。
「―――比良坂…やっと」
それだけを言うと貴方はそっと私を抱きしめた。ふたりで眠るには少し狭いベッドだったけれど、今はそれが逆に嬉しい。こうして近くに貴方のぬくもりを感じられることが、嬉しい。
「…やっと君を…抱きしめられる……」
長かったのか、短かったのか。もうそんな事すら忘れてしまうほどに。忘れてしまえるほどに貴方を近くに感じる。貴方をそばに、感じる。
暗く何もない世界から、貴方の『光』だけが私を導いて、そして。そして今ここに私がいることを…それを奇跡と呼ぶならば。

―――もう一度こうして貴方に出逢えて、そして。そして触れることが…奇跡、ならば……。


「夢、みたいだ」
それが奇跡でも何でもいい。
「…龍麻さん……」
どんな名前のものでもいい。
「でも君は夢じゃない。ちゃんと俺のそばにいる」
どんなものでもいい。どんな言葉でもいい。
「俺の腕の中に、いる」
貴方とともに生きられる未来を許されるならば。


見つめあって、微笑いあった。睫毛が触れ合う距離で、吐息が掛かる距離で。
そして指を絡めあって。絡めあって、キスをする。確かめ合うようにキスを、する。
生きているんだと、そばにいるんだと、触れ合っているんだと。


―――その存在を確認するために、しあわせを確認するために。


「…んっ……」
薄く唇を開けば貴方の舌が忍び込んでくる。それを私は必死で絡めた。舌の裏を舐められて、根元をきつく吸われる。それだけでビクンっと身体が反応するのを止められなかった。
「…ん…ふっ…ん……」
こめかみの辺りがジンジンしてくる。それでも舌の動きを止められない。ぴちゃぴちゃと音を立てながら何度も何度も互いの口中を貪った。口許から何時しか唾液が零れて来る。それでもまだ、互いを貪るのを止められなかった。
「…んんっ…んんん…はぁっ……」
そうして何度も口付けを交わし、開放された頃には息は乱れて言葉にならなかった。視界は潤んで霞み、唇は唾液でねっとりと濡れていた。
「…比良坂…いい?」
傷だらけの指が私の顎に触れ、唇へと滑る。零れる唾液を拭う指先。戦い続け、たくさんの傷の出来た指。いっぱい、傷ついた指先。
「…あの…龍麻さん…ひとつだけお願いがあります……」
その手を取って自分の頬に重ねた。感じるのはぬくもり。感じるのは暖かさ。大切な命の証拠。生きているという、証拠。
「―――何?」
私はこのぬくもりを、この命を護る為ならばどんな事でも出来る。どんな事だって、出来るから。
「…紗夜って…呼んでください……」
私の告げたささやかな願いに貴方は微笑って答えてくれた。―――好きだよ、紗夜と……。


生きているから、触れ合える。生きているから、ぬくもりを分け合える。生きているから…愛し合える。死ねば想い出として心に残ることは出来るけれど、けれども生きていなければ日々は積み上げられない。生きていなければ…抱き合うことは出来ない。
「…あっ……」
黄色い制服のリボンが解かれ、ブラウスのボタンが外される。はらりとリボンが床に落ちるのがひどく目に鮮やかに映った。
「―――怖い?」
耳元にそっと囁かれる言葉に私は首を横に振った。貴方がこうしているのに。貴方がこうしてそばにいるのに、何が怖いというのだろうか?
「…怖くない…龍麻さんが…抱きしめてくれるなら……」
くすっと微笑って貴方に抱き付いた。少しだけ上半身を上げて、ブラのホックを外しやすいようにする。貴方は私の意図に気付いて、不器用な動作でブラを外した。ブラウスも脱がされ、上半身裸にされる。それでも私は腕に廻した手を解かなかった。見られて恥ずかしいとかそう言った想いよりも…貴方の背中に触れていたいと言う想いが私を支配したから。
「うん、抱きしめてあげる…ずっと俺が君を抱きしめてあげるから」
そのままもう一度ベッドの上に寝かされ、剥き出しになった白い胸に貴方の手が触れる。ひんやりとした冷たさが胸を襲い、私の睫毛を震わせた。
「…あっ…んっ……」
柔らかく触れられ、おずおずと乳房を揉まれる。初めは本当に優しく触れるだけだった。指先が胸に沈み、そして弾力で跳ね返る。それを繰り返してゆくうちに、次第に指先に込められる力が強くなった。
「…あぁんっ…はぁっ…ぁっ……」
大きな手で鷲づかみにされ、そのまま尖った乳首を指の腹で捏ねられる。その度に胸が揺れて、息が乱れた。
「…ああ…龍麻…さん…あんっ……」
開いたほうの胸も口に含められ、そのままきゅっと吸われる。その度にぞくぞくと背中から這い上がる感覚を、堪えきれなくなって。
「…ふぅっ…ん…はぁぁんっ……」
腕に廻した手が無意識に力がこもる。けれども貴方の指は、舌は、止まらなかった。力を込めれば込めるほど激しさを増し、何時しか私の意識すら飲まれていった。
「…あぁ…はぁっ…あんっ!……」
最期にかりりと歯を立てられて、やっとの事で胸から唇が開放される。乳首は紅く充血し、てかてかと唾液で濡れていた。それがひどく自分を淫らに見せているようで、恥ずかしかった。
「―――紗夜……」
羞恥の余り顔をシーツに埋めていた私に、貴方がそっと名前を呼ぶ。その声におずおずと顔を上げれば、貴方はそつと微笑っていた。その笑顔が優しくて。とても、優しくて。
「…龍麻…さん……」
「あ、俺…初めてだから…その…優しく出来なくて…ごめん……」
微かに頬を染めながら言う貴方が愛しい。こんな時ひどく子供に見える貴方が。何時も強くて、何時も護る側にいる貴方を。そんな貴方をふと、護りたい瞬間が今ここにあって。

――――抱きしめて、包み込んであげたい瞬間が……


「…私も…初めてです…だから一緒です…」
私から、キスをした。触れて離れる一瞬だけのキスだけど。
でも今この瞬間に、貴方にキスをしたかったから。
「…紗夜……」
「…一緒です…龍麻さん…だから……」
貴方にキスをしたかったから。貴方だけに、キスをしたかったから。
「―――ああ、そうだね。これからずっと君と一緒に…初めていくんだから…」


「…ひゃんっ!…」
足を広げられ、そのままパンティーの上から割れ目を指でなぞられる。触れただけなのに布越しから微かに湿り気が感じられる。それが、ひどく恥ずかしかった。
「―――少し濡れてる……」
「…はぁっ…ん…あ……」
布越しで入り口を指で何度かなぞられ、そのまま下着を脱がされた。同時にスカートも脱がされ、身につけているものは何もなくなってしまった。
「…龍麻さん……あっ!」
名前を呼ぶと同時に指がじかに私の花弁に触れる。そのままじわりと濡れた秘所に、ずぷりと指が挿ってきた。
「…ひぁっ…ぁっ……」
生まれて初めて入れられた異物に、入り口が閉ざされる。そんな私に貴方の指は、あせらず何度も入り口をなぞり花びらを開かせた。
「…くふっ…ん…はぁっ……」
馴染んだ頃を見計らって指が付け根まで埋められる。そのままぐちゃぐちゃと中を掻き回せば次第にぬめり気のある液体が、ソコから分泌されてくるのが分かった。その液体を指で掬い、そのまま中の肉に擦り付ける。その感覚がリアルに肌越しに感じられて、私は身体を痙攣させるのを止められなかった。
「…はぁぁっ…あ…龍麻…さん…あぁ……」
がくがくと立てた膝が震え、その振動で胸も揺れた。それでも貴方の指は止まる事無く、私の中を探る。そして一番感じる個所を探り当てると、そのままそれを爪でぎゅっと掻いた。
「―――ああんっ!」
一瞬意識が真っ白になる。それでも貴方の指は止まることはなかった。私の反応を確かめるように執拗に、ソコを集中的に攻めたてる。何時しか自分の耳にもぐちゅぐちゅと濡れた音が響くくらいに。
「…ああんっ…はぁぁぁ…ソコ…やっ…やぁんっ……」
自分が自分でなくなるような刺激に私は首を左右に振って、堪えた。無意識に腰が上がり、刺激から逃れようとする。けれどもがっしりとした貴方の腕が私を抑えつけ、何度もソコを弄った。そして。
「…ダメ…ソコ…はっ…あぁ…もぉ…私…私…っ…あぁ……」
何時しか私の口から零れる言葉も意味が分からなくなる。何がダメなのかも分からなくなる。ただ分かっていることは、自分の意識が違う場所へと飛ばされそうになっている事だけ。背中から、ソコから、這い上がる熱い刺激が全身を埋めて、頭を真っ白にしてゆくという事だけ。
「―――紗夜…いい?」
「…あっ……」
不意に訪れた喪失感に飛ばされかけた意識が引き戻される。そして次の瞬間指とは比べ物にならない硬いモノが私の入り口に当てられた。その瞬間無意識の恐怖で、身体が竦んだ。けれども。
「…龍麻…さん……」
けれどもそれ以上に。それ以上に私に向けられた瞳が。私に向けられた視線が。何よりも、何よりも、優しかったから。労わるように愛しげに、私を見つめたから。
「…はい……」
私は目を閉じて、小さく一つ頷いた。


ずぷりと音とともに、私の中に貴方が挿ってくる。先端部分を埋められただけなのに、初めての痛みに私の口からは悲鳴が零れるのを抑えきれなかった。
「―――ひっ!あああっ!」
「…大丈夫か?紗夜……」
苦痛のせいで汗ばむ額を、貴方はそっと撫でてくれた。べとついた髪を掻き上げて、そこにひとつ唇を落とす。その優しさだけで…私はどんな痛みにも耐えられると思った。
「…へぇき…です…龍麻…さん…貴方…だから……」
ぽたぽたと瞳から零れる涙は止められなかったけれど。それでも私は頑張って口許に笑みの形を作った。作りたかった、伝えたかった…貴方とひとつになりたいと想う私の気持ちを。
「好きだよ、紗夜」
「―――ああああっ!!」
ズズズと音とともに奥へと貴方が捻じ込まれる。抵抗し閉ざす媚肉を掻き分け、楔が中へと埋め込まれる。そのたびにブチっと音がして自分の処女膜が破られてゆくのが分かった。
「…あああっ…ああああ……」
太ももに生暖かい液体が伝う。それが、自らが流している血だと分かったのは、しばらく後の事だった。シーツに染まる紅い染みが視界に入ってきて初めて気が付く。けれども。けれども今こうして貴方を感じることに精一杯の私には…そんな余裕などなくて。
「全部、君の中に挿ったよ」
「…龍麻…さ…んっ……」
言葉通り私の中に貴方が全て埋められた。貫いていた動きが止まり、私を見下ろす視線の熱さがそれを証明している。私は苦痛と喘ぎのせいでままならない視界を、必死に開けて貴方を見上げた。綺麗な漆黒の貴方の瞳を。
「これでひとつに、なれたね」
涙が、零れた。それは痛みのせいだけじゃない。決してそれだけのせいじゃない。この苦痛も貴方が私の中にいるという証拠ならば。この痛みこそがひとつになれた証ならば。

――――この涙は決して…痛みのせいじゃない……

指が重なって、そして絡まった。両手をそれぞれ絡めあう。そしてゆっくりと貴方が動き始めた。
「…あああ…ああんっ!……」
痛みだけだった刺激が少しずつ違うものへと変化してゆく。擦れあう肉が生む摩擦が何時しか、私を違う場所へと連れ去ってゆく。全身に広がる甘い痛みが、何時しか吐息を苦痛以外のものへと変えて。
「…ああんっ…ああっ…あんっ…あんっ!」
「…紗夜…好きだよ…紗夜……」
「…あぁ…あぁぁ…たつ…ま…さっ……」
「―――好きだよ…君だけが…誰よりも……」
囁かれる言葉が、告げられる言葉が、降り注ぐ言葉が、私を埋める。私の全部を、埋める。優しく包み込み、そして。そして違う場所へと導いてゆく。

少女から大人になる瞬間、その相手は貴方がいい。貴方の手で、導かれたい。



「ああああああっ!!!」



ぐいっと強く引き寄せられ、深く貫かれた瞬間。
私の意識が真っ白になって、そして。
そしてどくんっと弾ける音とともに、私の中に熱い液体が注がれた。



夢のような、しあわせ。目覚めたら全てが終わってしまうような。
もしも今、目覚めて全てが消えてしまっても。消えて、しまっても。
私の中に注がれた貴方の愛がある限り。この熱さがある限り。

きっと、消えない。私の中から、消えることはない。

小さなしあわせを、少しずつ。少しずつ、降り積もらせて。
そして。そしてゆっくりと満たしていけたならば。
ふたりの繋がれた指先から、少しずつ。少し、ずつ。


―――そうしてふたりで、微笑いあえたならば。



繋がった手は離さずに。絡み合う指先はこのままで。
「…もう君を離さないよ…もう二度と……」
見つめあう瞳は、このままずっと。ずっと、永遠に。
「―――もう二度と君を……」
夢から覚めた瞬間も、貴方がいると信じられるから。





「…はい…ずっと…私は貴方のそばに…います……」




End

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