こころに触れる、音

伸ばした指先が、そっと。そっと触れるぬくもり。


優しさが、貴方から零れて来る。そっと、零れて来る。
それが私を包み込み、そして。そしてゆっくりと。
ゆっくりと、私の中へ溢れてくる。零れるくらいの。


溢れるくらいの、貴方の優しさ。そして貴方の、想い。



「―――比良坂……」
名前すらない君。何も持っていない君。何もないと言った…君。でも君からは溢れている。何よりもかけがえのないものが、何よりも綺麗なものが…君から零れて来る。
「…龍斗さん?……」
傷だらけの手をそっと握り締めた。この手が今までの君を語っている。君の心の傷が、こうして。こうして君の手に、刻まれている。それを俺は。俺は、癒したい。
「どうしたら、君をしあわせに出来る?」
深い闇の中で膝を抱えていた君。それでも懸命に生きてきた君。目が見えなくても、誰も頼る人間がいなくても、独りぼっちでも。それでも君はこんなにも綺麗なこころのまま。綺麗過ぎるこころのまま。
「龍斗さんがいてくれれば、それだけでしあわせです」
君の指がそっと俺の手に絡まる。あかぎれの、ささくれだった手。それでも俺にとっては何よりも。何よりもの大切な、手だから。
「それだけで、しあわせです」
そう言って微笑う、君が哀しいくらい綺麗で。切ないほどに綺麗だったから。俺は今この瞬間だけ、君の瞳が見えない事に感謝した。

――――君の瞳が俺の零れる涙を、見なかったことに……


漆黒の闇の中、ただひとつの光。優しい光。
何もない私が、何も持っていない私が、こうして。
こうしてただひとつ、触れたのが。
触れたのが貴方の、光。暖かい、光。

…優しくて、暖かい…貴方の…貴方の…命……



「比良坂…好きだよ……」
君の手首には消えない痕がある。
「…龍斗さん……」
繋がれた鎖が作った君の傷。
「…君だけが…好きだ…君だけが……」
何度も擦れ、そして。そして消えなくなった痕。
「―――君を護りたい…俺が……」
その痕に口付け、そして誓うのは永遠。君に捧げる、永遠。


――――どんなになろうとも、俺が君を護ると……



「…あっ…龍斗さん……」
腕にすっぽりと収まる君の身体を抱きしめ、その胸に触れた。柔らかい膨らみが指先に布を通して伝わる。そのまま手のひらで包み込み、柔らかく揉んだ。
「…龍斗…さんっ…あぁ…ん……」
君の手が手探りに俺を探す。宙に浮いた手がそのままさ迷い、俺の髪に辿りつくと確かめるように何度も触れた。
「―――比良坂……」
「…龍斗…さん…の…顔……」
髪から指が滑り、俺の頬に触れた。そのぬくもりを指に刻み付けるように何度も触れて、そのまま探るように俺に口付けてくる。そんな君の首筋に手を廻し、唇を奪った。薄く開く口の中に舌を忍ばせ、そのまま絡め取る。根元をきつく吸い上げれば、ぴくりと睫毛が震えた。
「…んんっ…ふっ…ぅ…ん……」
角度を変えながら何度も口付けを交わし、その間に君の服の裾から手を差し入れた。直に君の胸の膨らみに触れると、その感触にびくんっと君の身体が竦んだ。それでも何度か胸を揉みほぐし、尖った乳首を指の腹で転がせば。転がしてやれば、何時しか君の身体が無意識に俺に擦り寄ってきた。そんな所がひどく、愛しかった、
「…ん…ふぅんっ…はぁぁっ……」
唇が痺れるほどに口付けを交わし、息が乱れる頃になってやっと開放した。互いの唇から一本の銀の糸が結ばれ、それがぽたりと君の口許へと落ちる。そのまま顎を滑り、首筋へと零れた。その液体の筋を指で掬ってやれば、華奢な君の身体が跳ねた。
「…龍斗…さ…ん……」
君は、言った。目が見えなくてもこうして。こうして俺に触れていれば何も怖くはないと。こうして俺のぬくもりを感じていれば…何も怖くはないと。
だったらずっと。ずっとこうしていてくれ。ずっと俺の背中だけにしがみ付いてくれ。もう俺は君を。君を決して離しはしないから。
「…比良坂……」
「…ああんっ!……」
上着を捲り上げ、剥き出しになった白い乳房を口に含んだ。柔らかく揺れる胸の谷間に指を這わせ、そのまま桜色の乳首を吸い上げる。舌先でちろちろと嬲りながら、もう一方の膨らみを指で強く揉んだ。指の隙間から零れる白い乳房が、ほんのりと朱に染まる。それがひどく瞳に鮮やかに映った。
「…あぁんっ…龍斗…さんっ…はぁぁっ!……」
わざと音を立てて乳首を吸い上げた。唾液でぬめるほどに舌を絡めれば、腕の中の、身体の体温が上昇する。感じているのが、こうして伝わる。君が、感じていることが。
「…あぁ…はぁんっ…あんっ…あぁん……」
胸に顔を埋めたまま、俺は指を君の下腹部へと滑らせた。わき腹の窪みを弄り臍を爪で一回抉って、そのまま脚を広げさせる。下着を脱がせると、色素の薄い茂みを掻き分け、割れ目の部分に触れた。そこを指で軽くなぞってやれば、肩が揺れるのが分かる。そのまま何度か入り口をなぞって、ゆっくりと指を埋めていった。
「…くっんっ!……」
微かに開き始めた蕾に導かれるように指が奥へと埋めこまれてゆく。そのたびにしっとりと濡れる感触が愛しかった。中で指を折り曲げ、ぐちゃぐちゃと捏ね繰り回す。その度に白い喉が仰け反り、口から甘い吐息が零れ落ちる。
「…ぁぁ…ん…くふっ…ん…はぁっ……」
中に差し入れる指の本数を増やし、ぐいっと中を指で押し広げた。そうして剥き出しになった一番感じる個所を、ぎゅっともう一方の手で摘んでやる。それは痛いほどに張り詰め、蜜を大量に滴らせていた。
「…ああっ…龍斗…さんっ…ソコは…ソコは…っああんっ!……」
激しい刺激に引こうとする腰を抑えつけ、集中的にその器官を甚振った。膝を立てて広げていた両脚ががくがくと震え、布団の上に広がる金色の髪が波打つ。まるで泳いでいるように。
「…ダメ…龍斗…さんっ…私…おかしく…あぁぁっ!……」
「比良坂、大丈夫…俺がいるから……」
意識が飛びそうになる彼女から、俺は一端指を引き抜いた。そしてその身体を抱きしめ、背中に廻させた手に力を込めさせる。そして。
「…龍斗…さ…ん………」
「こうしてずっと俺の背中に手、廻していてくれ」
そしてひとつ君の瞼に口付けると、そのまま俺は腰を掴み自らへと引き寄せた……。



こうして、肌を重ねて。そして鼓動を重ねて。
私、気が付いたんです。気が、付いたんです。

―――こうしてこころに。こころに音が、触れているんだって事を……


龍斗さん。龍斗、さん。貴方が好きです。
貴方だけが好きです。私の光。ただひとつの光。
私がこうして、やっと。やっと手に入れる事の出来た。
手に入れる事の出来たかけがえのないもの。
暖かく優しく、私を包み込む光。この光があれば。貴方がいれば。

私はきっと、どんな事でも出来るから。

だからそばにいてください。私のそばにいて、ください。
もう独りでいられないんです。貴方の優しさを知ってしまったから。
貴方のぬくもりを、貴方の鼓動を、知ってしまったから。
だから私…もう独りで…独りでは…いられないんです。


――――だから私をそばに、おいてください……



ずぶずぶと繋がった個所から濡れた音がする。目には見えなくても、感じることが出来る。貴方をこうして私の中へと。
「…あああっ…ああああっ!……」
熱い塊が私の中で息づいている。内側から溶かされるような激しい熱さが、私の中に埋めこまれている。これが、貴方。貴方、だから。
「…ああっ…龍斗さんっ…龍斗さんっ!……」
こうして引き裂かれるような痛みも、こめかみが痺れるような快楽も、全て。全て貴方が私に与えてくれるものだから。貴方だけが、私に与えてくれるものだから。
「…比良坂…好きだよ…君だけが…俺の……」
「…あぁぁっ…あああ…龍斗…龍斗…さ…ん……」
「…俺だけの…ものだ……」
「―――ああああっ!!」
最奥まで貫かれ、私の中で弾けるような音がして。そして。そして私の意識は真っ白になった……。



触れている、鼓動が。触れている、こころが。
ほらそっと。そっと、触れている。
目には見えなくても伝わるから。こうして、伝わるから。


貴方の命の音が、私には聴こえるから。



「…龍斗…さん……」
見えない瞳で私はずっと。
「…比良坂……」
ずっと貴方を見ていた。
「…好きです……」
貴方をずっと、私は見ていた。
「…貴方だけが…好き……」



貴方が差し出す光だけが、私の永遠の道しるべだから。




「―――ああ、俺もだ……」



耳元で囁く声が優しい。抱き寄せる腕が…優しい。そのぬくもりに包まれながら私はそっと貴方の胸の音を探した。貴方のこころの音を、探した。そして。そして、感じる。私はただひとつの音を、感じる。



―――貴方の私のこころに触れる、音を………



End

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