におい。

お前の匂いは何時も、煙草の匂い。
こうして抱きしめられていても。
こうしてキス、されても。やっぱり。
やっぱりお前は、煙草の匂い。


―――でもお前だから、大好きだよ。


「何笑ってやがる、バカザル」
「だって三蔵と一緒にいられるんだもん」
「〜って何時もイヤと言うほど一緒にいるだろうがっ!」
「でもでも、嬉しいんだもん」
「…ってお前サルと言うよりは…犬だな」
「どーしてっ?!」
「尻尾振りまくっているから」
「…むぅ……」
「拗ねるな、バカザル。キスしてやるから機嫌直せ」


そう言って、お前は俺にキスしてくれた。
やっぱり煙草の匂いがする、キス。でもね。
それがお前の匂いだから。お前のシルシだから。


「ってバカザルキスぐらいで喜ぶな」
「いいじゃんっいいじゃんっ!三蔵だから俺」
「嬉しいのか?」
「うん、嬉しい。嬉しいんだ、凄く」
「…そうか、じゃあ」
「うん?」
「もう一回、してやるよ」


本当はいっぱい。いっぱいして欲しい。
何時も何時も、して欲しい。俺って欲張りかな?
でもこうやって、キスしてる時が一番好き。
一番、しあわせ。身体を重ねている時よりもずっと。
ずっとずっと、お前を感じられる気がするから。


「三蔵の目、好き」
「…そうか……」
「紫色で宝石みたいで、凄く綺麗」
「お前の目は金だけどな」
「だって俺自分の目見れないもん」
「俺の髪の色だよ」
「だったら凄く綺麗じゃんか」
「…自分で言うなよ…」
「だって、三蔵の髪めっちゃ綺麗だもん」


手を伸ばして。そっと髪に、触れる。
さらさらの、髪。指からすり抜けてしまうほどの。
きらきら太陽みたいな、髪。
大好きな、もの。大切な、もの。
そのまま鼻を近づけて嗅いだら、やっぱり煙草の匂いが、して。


「へへ、三蔵の匂いだ」
「――煙草の匂いだろう?」
「でも三蔵の匂いなの」
「…お前なぁ……」
「俺にとってこれが三蔵だから」
「…煙草か、俺は……」
「違う、違うよ。この匂いも三蔵の一部だって思ってるから」
「ヤニに同化、かい」
「いいの。これも大好きな三蔵のひとつだから」


目を閉じて、胸に頬を当てる。
そうしたらお前の手が、そっと。
そっと俺の髪を撫でてくれた。
柔らかい手が、そっと俺の髪を。
お前の手、好き。優しいから、好き。


「って寝るなよ、サル」
「…寝ないっもったいないから、寝ないっ!」
「―――しょーがねぇなあ」
「だってせっかく三蔵が抱っこしてくれるんだもの」


思えば何時も。何時もこの手があった。
始まりには、お前の手があったから。
どんな時も、どんな瞬間も、この手が。
この手が俺を、連れだし、そして導く。

―――ただひとつの俺の、道しるべ……


「抱っこってこのガキ…何時も抱いてやってんのにそれかよ」
「むぅ、いいじゃんっいいじゃんっ!」
「普段はもっとエロい事してんのによ、たくー」
「…いいの、今はいいの」
「ちっしょーがねえな」


大きなため息とともに、零れる言葉。でもそれでも。
それでもやっばりずっとその手は髪を撫でてくれるから。
そっと、そっと撫でてくれる、から。



「大好き、三蔵」



何時も俺ばっかり言ってるけど。
何時かお前からも言ってくれるかな?

…言ってくれると、いいな……





「ホントどうしようもねーガキだな…でも……だぜ……」




    END

 

HOME  BACK

  プロフィール  PR:無料HP  合宿免許  請求書買取 口コミ 埼玉  製菓 専門学校  夏タイヤを格安ゲット  タイヤ 価格  タイヤ 小型セダン  建築監督 専門学校  テールレンズ  水晶アクセの専門ショップ  保育士 短期大学  トリプルエー投資顧問   中古タイヤ 札幌  バイアグラ 評判