月のかけら




手のひらに、零れ落ちるほどの。
たくさんの月の、かけら。
それをこの手で拾い集めて、そして。
そして、元の形に戻したら。

―――貴方が生き返ると…そう信じていたの……

子供だったから、縋りたかった。
どんな事でもいいから、縋りたかった。
生きる希望を、生きる理由を、欲しかった。


―――貴方に出逢うまでは…それだけが心の支え、だったの……



「――お前は昔、清楚な少女だって…言ってたぜ……」
自らの上に跨り胸の膨らみを押し付けてくるクリシーヌに、少々呆れながらシゲンは言った。けれどもその手は背中を撫で、何度も行き来を繰り返している。
「…昔は…ね…でもそれじゃあ何も持たない女は生きてはいけないわ」
自ら服のボタンを外し、剥き出しになった白い胸をシゲンの前に曝け出す。大きくて形良い乳房が、惜しげもなく月の光の下に晒される。
「生きてゆく為には…強くしたたかにならなければ…ならなかった……」
「ふ、お前も苦労していたんだな」
「…あっ……」
シゲンの手がクリシーヌの胸を掴む。大きな乳房はシゲンの手のひらでも納まりきれないほどだった。ぐいっと乱暴言えるほどに揉めば、柔らかい肉が指の隙間から溢れてくる。
「…あぁっ…ん…当たり前…よ…これでも…剣士よ…私……」
「―――似合わない」
「…え……」
「お前には剣は、似合わねーよ」
そう言ってシゲンは無防備なクリシーヌの唇を塞いだ。そこからは仄かに甘い味が、した。


他人の生き方には興味がない。
誰がどんな人生を歩んできたかと言う事も。
けれども、ただ。
ただ俺に向けられた瞳が。

―――殺してと…俺に向けられたその瞳が……

痛い程俺の心に突き刺さり、そして。
そして辛辣とも言える瞳が俺を。
俺を揺さぶった。強く、揺さぶったから。


「…んっ…んん……」
積極的に絡めてくる舌に、シゲンは全て答えた。絡め合い、もつれ合う舌。唇が痺れるほどに、貪り合う口付け。
「…んんっ…はぁっん……」
何かに急かされているように。何かから逃げるように。何かを得ようと、するように。激しくなる口付けに、互いは酔いしれた。
「…はぁっ…シゲ…ン……」
こうして目的の為に身体を差し出すのは初めてじゃない。それこそ数え切れないほどに、色んな男と寝てきた。そうして。そうやって、今まで生きてきたから。
―――だから今回も…そのつもりだった…のに……
触れる唇の優しさが。支える腕の暖かさが。何処かクリシーヌを切なくさせた。


胸に舌が絡まる。桜色の突起を先端で突つきながら、白い歯がかりりとソレを噛んだ。
「…ああんっ……」
ぶるっとクリシーヌの身体が震える。耐えきれなくなった腕がシゲンの肩に触れた。そのままぎゅっと掴んで、爪を立てる。
「…ああっ…はぁぁっん……」
月の下で白い胸が揺れる。それがひどくシゲンには綺麗に見えた。見掛けよりもずっと白い肌は、淡い光に照らされて透けそうで。
―――それが何故かひどく不安になって、シゲンはより一層クリシーヌの肌を蹂躙した。
色を、付けたくて。消えそうな肌に色を付けたくて。その身体に熱を灯して、火照らせた。
「…あぁ…シゲン…ああん……」
…指先に吸い付くような肌に、熱を感じて…ひどく安心している自分がそこにいた。


独りで、生きてきた。
愛する貴方を失ってから。
ずっと独りで生きてきた。

―――でも少し…それも疲れたのかも…しれない……


「…シゲン…んっ……」
クリシーヌの口がシゲンのソレを含んだ。微妙に形を変化させていた自身は生暖かい口に含まれて、次第に硬度を増してゆく。
「…んんっ…ふむ…ん……」
ぴちゃぴちゃとわざと音を立てながら、ソレを舐める。側面を舐め上げ、袋の部分を口に含み。先端の割れ目に軽く歯を立てる。
「――クリシーヌ…ヤバい…俺……」
「…いいよ、イッても…あたしにかけて……」
「――――っ!」
どくんっと弾けた音がして、クリシーヌの身体に白い液体がぶちまけられる。ぽたりと、肌から伝う液体を、クリシーヌは自らの指で掬って舐めた。
――――ちろちろと紅い舌が指を舐め、淫らにそれを口に含んだ。
「…後は、ココで……」
舐めた指を自らの秘所へと忍ばせ、中を捏ね繰り回した。わざとシゲンに見えるように、脚を大きく広げながら。
「…ココで…貴方を…ああっん……」
ひくひくと切なげに震える花びらが、ゆっくりとシゲン自身を飲みこんでいった。


抱きしめてくれる腕が。支えてくれる手が。
哀しい程、せつない程、優しい。優しいから。

今までこんな風に私を抱いた男を他に知らない。
恋人ですらこんなにも。こんなにも、優しく。
優しく私を、抱いてはくれなかった。


―――言葉にしなくても伝わるものは、そこにあるのだろうか?


「…あああっ!!…ああああんっ!!!」
ずぶずぶと濡れた音を立てながら、クリシーヌの蕾はソレを飲み込んでゆく。先ほど果てたばかりのソレは、淫らな内壁に包まれてたちまち逞しさを取り戻した。強くて硬い、塊へと。
「…あああ…あああ……」
全てを生め込むと、クリシーヌは自ら腰を振った。乳房が宙に波打つほどに、激しく。激しくシゲンを求めた。
「…あああっ…ああああんっ…あんっあんっ……」
がくがくと震える身体をシゲンの腕が支える。何時しかその手が腰を掴み、自らのリードでクリシーヌの身体を貫いてゆく。
「…あぁ…あぁぁ…シゲ…ン……」
「―――クリシーヌ……」
「ああああ―――っ!!!!」
背中が弓なりに仰け反ると同時に最奥まで貫かれ、そして。そして中に大量の精液が流された。



月のかけら。零れてゆくもの。
ぱらぱらと零れ落ちてゆくもの。
本当は知っていた。本当は分かっていた。
指先から零れたものは、もう。
もう二度と元に戻らないと言う事を。

―――本当はずっと…知っていた………



「…なぁお前さあ…剣士なんて…止めろよ……」
「…どうして?シゲン……」
「何か、辛い」
「――え?」
「…お前見ていると、辛いから……」

「…だから…俺が……」



―――護ってやると…小さな声で…貴方は…言った……。




月のかけら。零れてゆくもの。
さらさらと零れてゆくもの。
それを拾い集めたら。集めたら。
違う形のものが、手のひらに残った。

でもそれは、同じものなの。
形は違っても、同じものなの。



――――それは…きっと…愛なんだと………






 


BACK  HOME

  プロフィール  PR:無料HP  合宿免許  請求書買取 口コミ 埼玉  製菓 専門学校  夏タイヤを格安ゲット  タイヤ 価格  タイヤ 小型セダン  建築監督 専門学校  テールレンズ  水晶アクセの専門ショップ  保育士 短期大学  トリプルエー投資顧問   中古タイヤ 札幌  バイアグラ 評判