―――ちょっとした好奇心と、そしていっぱいの大好き。
「ちょっとサンっ!この間のあれはナンなのよっ!!」
オープス達と戦って帰って来た夜、思い出したようにフラウは言ってきた。
けれどもサンには何の事だかさっぱり分からなくて。
「ん?何怒っているの?フラウ」
「何じゃないでしょっ!酒場での事よっ!何よ、負けてないって」
そこまで至ってサンはやっと思い出す。
元も楽天的な性格がそうさせるのか、それともただ単に本当に忘れていたのか…多分後者の方だろう。
「あ、あの事か。だって負けてないよ」
「…負けてないって…何がよ…」
「もちろんこれっ!」
にっこりと笑って自分の胸を指差したサンにフラウは殊更大きなため息を付く。
この無邪気さが彼女の魅力だが、こうも自信満々に言われると少し腹立つのも事実で。
「――ふーん、本当にそうなのかしらね」
そう言ってにっこりとフラウは笑うと、そのままサンの着ていた上着をガバっと上げた。
そこには下着を着けていないせいで白い二つの胸が、惜しげもなく下界に暴かれた。
「きゃーーっ!何するのよっ!!」
「だってサンが大きいって言うから…確かめただけよ」
「って下ろしてよーっ!!恥ずかしいじゃない」
「ダメ、まだ確かめてないもの。私よりも大きいか」
にっこりと笑うとフラウはそのまま上着を剥ぎ取ってしまう。サンが呆然としている間に。
そしてそのまま抵抗を閉じ込めるようにそれで手首を縛ってしまう。
―――これでサンは不覚にも身動きが取れなくなってしまった。
「ヤダーっ取ってよフラウーーっ!!」
「だ・め。これからじーっくり確かめるからね」
…そう言うフラウの顔はひどく、楽しそうだった……。
最初はちょっとした好奇心と、そして少しだけの意地悪な気持ち。
でもその中に含まれている『大好き』って気持ちが。
何時か物凄く大きくなっちゃったら。そうしたら。
―――そうしたら私、どうなっちゃうんだろう?……
「色は…むぅ、私よりも綺麗な色してる」
フラウの手がサンの胸の果実に触れる。まだ無垢なそこは綺麗なピンク色をしていた。それをひとつ指で弾く。
「やんっ!」
その途端にサンの身体が鮮魚のように跳ねた。目がぎゅっと閉じられて、首が左右に振られる。
日に透けると金色に輝く茜色の髪がふわりと揺れた。
―――それがひどくフラウには綺麗に、見えて。
「凄いちょっと触っただけなのに、ピンと立っている」
「…やだぁ…そんな事…言わないでよ…あっ…」
ぷくりと立ちあがった乳首をフラウは指で擦った。ピンク色のそれはたちまち朱に染まってゆく。熟れた果実のように。
「…あぁ…やだよぉ…止めてよ……」
指の腹で転がして、廻りをなぞってやる。くすぐったくてもどかしい感触に、サンの首が再び左右に振れる。
その度に髪がまた、揺れて。揺れて、綺麗で。
「やだって変な声、出してるよ。サン」
綺麗だから、ずっと。ずっと見ていたいなと思った。綺麗だから触れたいなと、思った。
変だろうかそんな事を思うのは。でも。でも今こうして手を伸ばして。
「…ああんっ……」
そっと髪に、触れた。そして指に絡めながら、サンの胸を指で揉んだ。柔らかい胸だった。
自分のですら揉んだことは無かったけれど、その柔らかさがひどく指先には心地よかった。
吸い付くように馴染む弾力のある胸が。フラウの手のひらでは納まりきれない胸が。
「…サンの…柔らかいね……」
「…やん…止めて…止めてよぉ…あぁ…」
「私のも、柔らかいかな?」
「…あぁ…なんか…変…に…あ……」
フラウはサンの胸を弄りながら自らの上着のボタンを外した。彼女もまた、下着を着けてはいなかった。
サンよりもより白い肌が露にされる。まだ発育途中の薄い胸だったが、瑞々しい肌の上に、それは形よく収まっていた。
「やっぱ、私のが小さい?」
「…フラ…ウ…?……」
サンの胸を弄っていた手が止められる。
口ではイヤイヤと言っていたサンだったが、いざその手が離されるとひどい喪失感を感じている自分がいた。
熱く火照り始めた身体と、とくんとくんと脈打つ心臓が、その手を…その刺激を求めていた。
「小さいかなぁ?」
「…あ……」
サンの手首に結ばれていた上着が外される。でももう、サンは抵抗する事はなかった。
走り始めた身体の暴走は止める事は出来なくて。
その手は掴まれると、そのままフラウの胸に当てられた。むにゅっとした感触がサンの指先に伝わる。
そのままフラウはぎゅっと手を上から握り締めた。
「あんっ!」
フラウの口から甘い、鼻に掛かったような声が零れる。それはさっきまでサンが零していた声だった。
自分が手に少しでも力を込めれば、再びその声がフラウの口から零れて来る。
「…フラ…ウ……」
「あぁん…サン…握って…あぁ……」
ぐいっとフラウは身体をサンに押し付けてきた。熱い身体、だった。今の自分と同じくらい。ううんもしかしたらそれ以上に。
「―――あ!」
サンの手が力を込める前に開いていたフラウの手が、放り出されていたサンの胸を再び弄り始める。
柔らかく、そして強く胸を指で征服されて。
「…ああっ…あん…フラウ…あぁ…ダメ…あたし…あたし…」
意識が朦朧としてくる。自分ではない何かが思考を支配する。もう、何も考えられない。
「…サン…あぁ…もっとぉ…もっとぉ……」
何時しかサンの手はフラウの胸をきつく揉んでいた。自分がされていると同じように。
彼女が強く揉めば自分もそうし、弱めれば自分も指の力を抜いて。
「…あぁ…サン…イイ…イイよぉ……」
「…はぁぁ…あぁ…フラウ…わたし…へんに…へんになっちゃう……」
「…私も…私も…あぁ…イイ…気持ちイイよぉ……」
何時しか二人の身体はもつれ合うようにベッドに崩れていった。何かを求めるように性急に互いの服を脱がし合う、そして。
そしてフラウは再びサンの髪に触れた。そうすると何故かひどく。ひどく、切なくなって。
「…んっ…んん……」
そのまま唇を奪って、舌を絡め合わせた。二人ともキスすらも知らなかった。どうすればいいのかも知らなかった。
でもただ。ただ互いを今どうしようもなく欲しくて。
欲しいと言う思いが支配して、こうして舌を絡め合う行為を自然とさせていた。
「…んんん…ふぅっん……」
飲みきれない唾液が二人の口許を伝う。それでも貪り合う事を止めなかった。
無垢な子供は何も知らないから、何も染まっていないからこそ。
―――― 一度知ってしまった甘い快楽を、押さえる術を知らなくて……
ずっと一緒にいたいとか。
一番の親友とか。一番大事な友達とか。
色々な言葉が浮かんでは消えて。
そして。そして最期に残ったものが。
―――『大好き』、だったから……
「ああっ!!」
脚を開かされ、サンの蕾にフラウの指が忍び込む。何も知らない筈のそこは、先ほどの愛撫でぐっしゅりと濡れていた。
とろりと、蜜が指に絡まる。
「…あぁっ…痛いよぉ…フラウ……」
まだ開発されていない媚肉を指は奥へ、奥へと掻き分けてゆく。
細いフラウの指ですらぎゅっと締め付けるほどに、ソコはきつかった。
「…あぁ…やぁん…あぁ……」
それでも愛液が手伝ってかくぷりと指が付け根まで収められると、そのままぐりぐりと中を掻き乱した。
「…ああん…あん…あん……」
もうそうなると、サンにはどうにもならなかった。どうにも出来なかった。
痛い筈の指の動きも何時しか物足りないほどになっていた。自ら脚を広げて、腰を押し付けて。その刺激を求めるほどに…。
「…ああああっ…あ……」
「…サン…サン……」
意識なく乱れる顔と、そして。そして流れる髪。綺麗な、髪。やっぱりそれをずっと。ずっと触れていたいと、思うから。
「―――あああっ!!」
指を最奥まで突き入れた瞬間、サンの口からは悲鳴のように声が漏れた。
そしてビクンと大きく身体を跳ねらせて。そして。そして、フラウの指先に大量の蜜を滴らせた……。
「…あああ…あん…あぁんっ……」
後はもう何も覚えていない。互いにソコに指を入れ合って、そして。そした互いの蕾を擦り合わせて。
「…サン…サン…あああ……」
「フラウ…あぁんっ……」
腰を淫らにくねらせ、指を絡め合って。脚を、舌を絡め合って。そして、ぐちゃぐちゃになって。
「あああ―――っ!!!」
…ぐちゃぐちゃになって、そして。そして溶け合って……
なんか、淋しくて。なんか、嬉しくて。
こうしてずっとしていたいなって思いながら。
こんな事ずっとしていられはしないと思って。
ずっと一緒にいたいけど、きっとずっと一緒にはいられないから。
でもね、好きって気持ちは。
この気持ちはっと、ずっと。
ずっと、変わらないから。
これからも先、ずっと。
―――ずっと、好きだよ……
「…これでも…ウラウは……」
「サン?」
「…胸…自分のが大きいって怒る?……」
「………」
「…怒らないよね…」
「…うん…もう怒らない…」
「…怒らない……」
フラウの言葉にサンは無邪気に微笑った。
その顔がひどく眩しくて、フラウは目を細めずには…いられなかった……。
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