連れて行ってね



―――ずっと貴方だけを、見ているから。

私を大人にしてください。
貴方の隣に並ぶ事が出来る、大人の女に。
女にして、ください。貴方の瞳に映るように。
貴方の瞳を真っ直ぐに見られるように。


―――どうしたら私、貴方に追いつけるの?


永遠に縮まらない距離は、私の胸の切なさと同じだから。
「…ミンツ…好きなの……」
私の想いを全てぶつけても貴方ははぐらかして微笑うだけ。そっと、包み込むように微笑うだけ。その笑みはとても優しくて嬉しいけれど、でも泣きたくなるくらいに切ないの。切なくて、苦しいの。
だって。だってそれは『父親』の笑み、だから。
―――違うの…と何度言っても、貴方はその笑みを返すだけ。両親の愛情を知らない私に、貴方はただ。ただそうやって親の愛情を与えてくれるだけ。私が欲しいのはもっと。もっと別なものなのに。どうしたら分かってくれるの?どうしたら、分かってくれるの?
何時も私はずっと。ずっとそれだけを、考えていた。



何時もお前の瞳は一途なほどに俺を見上げてくる。反らされる事なく真っ直ぐに。真っ直ぐに向けられる剥き出しの想い。それを。それを、俺は。
―――俺は受け止めるにはあまりにも、汚れちまっているから……
俺の両腕は血塗れで、そして俺はお前と同じ時を歩めない。永遠に縮まらない距離がふたりにあって。その距離が、ある限り。
「レニー、お前はまだ雛鳥なんだよ。雛鳥は初めて見たモノを親だと想う…お前の気持ちはそれと同じだよ」
お前をしあわせにしてやれない。お前より先に年老い死んでゆく俺。戦場を駆け巡り何時命が尽きるかもしれない俺。そんな奴にお前をしあわせにする資格はない。
無条件で与えられる筈の両親の愛情も知らずに、誰からも手を差し伸べられず孤独だったお前。そんなお前だからこそ、今度は。今度は誰よりも強い愛情を持っている相手と、そしてお前と同じ時間で同じ距離で歩ける奴としあわせになって欲しいから。
だから、俺は。俺はお前を抱きしめてやることが出来ない。



大人になりたい。大人に、なりたい。
貴方の隣に並べられる、貴方の隣にいられる。
そんな大人に、なりたいから。

―――どうしたら大人に…なれるの?……


自室の鏡に自分の姿を映し出した。着ている物を全て脱ぎ捨てて。痩せたがりがりの身体。ミンツに連れて行かれるまではロクなものを食べていなかったせいか、同じ年頃の少女に比べて発育が悪い。女らしいまるびを帯びた身体でもなければ、胸もお飾り程度に膨らんでいるだけだ。まるで少年のような、身体。大人なんて遥かに遠い身体。でも。
「…ミンツ……」
それでも自分は女で、そして。そして貴方に恋を、している。ただひとりの貴方に、恋を。こんな身体でも、貴方を愛している。
「…ミンツ…んっ……」
恐る恐るレニーは自らの乳房に触れた。それは手のひらで包みこんでも、手が余ってしまうほどの膨らみでしかなかったが。それでも、触れた。
「…んっ…はぁっ……」
手のひらで包み込み、小さく乗っかったピンク色の飾りに指を這わす。くりくりと転がしながら、外側の柔らかい部分を揉んだ。まだ成長しきっていない胸の突起でも、その刺激にぷくりと立ち上がった。
「…はぁっ…あぁっ……」
きゅっきゅっと胸を揉みながら空いている方の手を自らの身体に滑らす。時々的を得たようにぴくんっと肩が跳ねて、レニーの睫毛を濡らした。
「…あぁんっ…はっ……」
そっと脚を広げれば薄い茂みの奥に、自分の一番恥ずかしい場所が露になる。目の前の鏡がその全てをレニーの前に曝け出した。初めは恥ずかしくてぎゅっと目を瞑っていたが、恐る恐る目を開いて、レニーはそこを見た。
まだ誰も触れた事のないその肉は綺麗なピンク色をしていて、まるで花びらのようだった。けれどもココがまた。また大人になる為に使われる場所だと言う事も、知っている。
「…んっ!……」
そっとレニーは自らの指をソコへと忍ばせた。その途端身体に電流が走ったような感覚に襲われる。それでも。それでもレニーは指を奥へと忍ばせる事を、止めなかった。
「…ふっ…くぅんっ……」
流石に指とはいえ、初めて挿入はレニーにとって苦痛をもたらさずにはいられなかった。まるで肉を引き裂かれてゆくような感覚。それでもレニーは止めなかった。何度も指で中を掻き乱す。そうしている間に何時しか指が当たる感触が痛みだけではなくなって。
「…はぁっ…あんっ……」
痛み以外のものが背筋から這い上がって、そして。そして中の小さな肉の膨らみに触れた瞬間、レニーの身体が弓なりに仰け反った。
「あああんっ!!」
偶然に辿り着いた一番感じる場所に、レニーは耐え切れずに声を上げた。ソコに指が触れるだけで、じわりと蜜が零れてくる。その初めての感覚にレニーは身を震わせた。がくがくと脚が揺れ、声が零れる。ぞくぞくと背筋から快感が這い上がってくる。
「…ああんっ…あぁっ…あっ…ミンツ……」
何時しかレニーは夢中になってソコを弄っていた。愛しい人の名前を呼びながら。何度も何度も『女』である証の個所を。



手が、震えた。それを抑えるために拳を握り締めたら爪が食い込んで血が零れてきた。それでも俺は。俺は必死に耐えようとした。

―――今この扉を開けてしまったら、俺は。俺は自分を抑える事が出来ない。

お前の部屋から聴こえてくる俺の名前に気が付いて、そして脚を止めた。微かに扉が開いていて、そこから見えたものが。見えた、ものが。
―――俺を狂わせ、そして俺の理性を奪おうとしている。
綺麗な金色の髪を乱して、白い肌をほんのり朱に染めて。全裸になって俺の名を呼びながら。俺の名を呼びながら、果てようとしているお前。目を離さなければならないのに、見なかったことにしなければいけないのに。俺は。俺はお前から目を離せないでいた。そして。


「―――ああああっ…ミンツっ……」


俺の名を愛しげに呼びながら、身体を震わせて。そして。そして崩れ落ちるお前が。その顔は何時もの真っ直ぐな瞳を持つ少女ではなく、それは確かに。確かに独りの『女』の顔、だった。女の、顔。
「…レニー……」
俺は何時しか無意識にお前の名を呼び、そして。そして俺の手はドアノブを…握っていた……。



大人に、なりたいの。貴方の手で。
他の誰でもない貴方の手で、私は。
私は大人になりたいの。そして。

―――そして私を…連れて行って……



「…ミン…ツ……」
扉を開けて入ってくる人物に一瞬瞳が驚愕に見開かれる。けれども少女は…微笑った。それは紛れもなく一人の恋する女の顔、だった。
「…レニー……」
それでも男はそれ以上近付こうとはしない。最後の理性が必死にそれを押し止めている。何よりも最愛な少女の為に、止まっている。けれども。
「…貴方が好き…ミンツ…好きなのよ……」
少女は大人への階段を昇ろうとしている。小さな紅い靴を捨てて、愛する男が履かせるであろう硝子の靴を求めて。
「…好きなの…ミンツ…私を……」
まだ震える身体で、熱が納まっていない身体で、少女は男の身体に抱きついた。裸の胸の感触が、女の匂いが男を刺激して。刺激、して。
「…私を…大人にして…私を…連れて、いって……」
少女の願いは真剣で、そして。そして一途だった。一途でありながら、女の顔を男に見せる。愛する雄を求める雌の顔を。
「…レニー…俺は……」
震えながら腕が上がり、そしてその細い身体を抱きしめた。抱きしめてしまえばもう。もう離せない事は分かっていながら。分かっていながら抱きしめずにはいられなかった。
「俺は、お前に何もやれないぞ。お前よりも先に年老い、そして死んでゆく。お前が一番綺麗な時に、俺はただのぼろい親父でしかない。それでも。それでも、いいのか?」
「…ミンツが好き…今も、これからもずっと、好き…貴方が年老い私を置いて行っても、平気。だってもう貴方は……」

「…貴方は私のこころの中に…棲んでしまったから……」

「…貴方がしわくちゃのおじいちゃんになっても…ずっと好きだから…だから私を…連れて行ってください……」
「…レニー……」
「…貴方の手で大人にしてください…貴方のそばまで…連れて行ってください……」


零れ落ちる涙。大きな瞳からそっと零れる涙。それは子供のような純粋な雫。一途で綺麗なただひとつの、想い。
「―――ああ、レニー…もう俺は自分の気持ちをごまかさない…連れて行ってやる…ずっと俺が連れて行ってやる…俺が死ぬまでのこれからの人生を、全部お前にやる」
「…ミンツ……」
「……愛している…レニー……」
大きな手がレニーの頬を包み込み、そして。そして唇が重なる。重なったまま、もつれ合うように二人の身体はその場に崩れ落ちた。


「…んっ…んん…はぁっ……」
絡み合う、舌。何度も何度も重なり合う唇。離れているのがもどかしいとでも言うように、口付けは何度も繰り返される。
「…はぁっ…ん…あんっ……」
その間にもミンツの大きな手がレニーの胸を弄った。満足させるほどの大きさも柔らかさもなかったけれど、ミンツにとっては何よりも愛しいものだった。何よりも大事なものだった。
「…あぁ…あんっ…は…んん……」
自分で触れている時とは比べものにならない、快感がレニーを襲う。愛する人に触れられているせいだろうか?その大きな指が胸の果実を摘むたびに、意識がふわりと宙に浮く。その浮遊感がひどく心地よい。まるで空に浮かんでいるように。
「…あ…ああんっ…ぁ……」
そしてその浮遊感を引き止めるのもミンツの大きな手だけで。時折爪がかりりと突起を引っ掻く。その痛いほどの刺激が、レニーを現実へと引き戻した。
「…ああんっ…あんっ…あん……」
けれどもその痛いほどの刺激の後にはまた。またもっと深い快楽が押し寄せてくる。それの繰り返しだった。子宮がじゅんっと鳴っているのが分かる。それが少しレニーの頬を染めさせた。
「―――レニー……」
「ああんっ!!」
太い指が、レニーの花びらを掻き分けて中へと入ってくる。一瞬その大きさに身体が強張ったが、繰り返されるキスと胸の愛撫が、レニーの身体を次第に溶かしていった。
「…あぁっ…あっ…あっ……」
先ほど零した蜜が、指の動きを助ける。奥へ奥へと、導かれて行く刺激。媚肉はひくひくと蠢き、きゅっと指を締め付ける。何時しかくちゅくちゅと濡れた音を立てるほどになっていた。
「…あぁ…ミンツ…ミンツ…はぁぁ……」
熱に浮かされたような顔で、ただ愛する人の名前だけを呼び続ける。それはただひたすらに。ひたすらにミンツのこころを満たして。愛しさだけで、満たして。
「…レニー……」
「…あっ……」
充分に濡れたと感じた所で、指が引き抜かれる。その刺激にすら敏感になっているレニーの身体はぴくんっと震えた。そして。
「―――いいか?レニー」
そして腰を抱かれ、耳元で囁かれた言葉に。その言葉にレニーは迷うことなくこくりと頷いた……。


連れて行ってね、私を。
私を連れて行ってください。
貴方の場所まで、私を。

―――私を連れて行ってね……



「――――あああああっ!!!」



ピキーっと音がして、何かが破られたのをレニーは感じた。それと同時に自らの太ももに血が零れ出すのも。それでも。それでもレニーは必死にミンツにしがみ付いてそれに耐えた。そして。
「大丈夫か?レニー…痛いか?……」
心配そうに聴いてくるその声に。その声に懸命に微笑う。痛かったけれど。痛かったけれど、それ以上に。
―――それ以上に…嬉しかった…から……。
「…へぇき…へぇき…だよ…だから…ミンツ……」
額から零れる汗も。目尻から零れる涙も、全部。全部、貴方が与えてくれたものだから。貴方が私にくれたもの、だから。
「…止め…ないで…ミンツ…ね…止めないで……」
「止めねーよ…もう…お前は俺のものだ……」
「…うん…うん…ミンツ…好き……」
「…ああ、レニー…俺も……」
見つめあって、そしてキスをして。上も下も繋がって。繋がった、から。
「…あああっ…あああああ……」
後はもう。もうそれだけで。それだけで、しあわせなの。それだけで、嬉しいの。
「…ああ…ミンツっ…ミンツっ!……」
「…レニー…レニー……」
「―――あああああっ!!!!」
あなたとひとつになれることがしあわせ、なの。



連れ行って、ね。私を貴方のそばまで。
貴方の隣へと連れて行ってね。

―――私を連れて行って、ください。



手を、繋いだ。指を、絡め合った。そして見つめあって。
見つめあって、微笑って。そして。そして、そっとキスを、して。


「…やっと追いついた、かな?…」
「…レニー?…」
「…貴方の隣に、立てた、かな?……」
「――ああ……」



「…これからずっと…俺の隣は、お前に預けるさ……」

 

 


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