Misty


「――――ってこれ凄く無理があると思うんスけど……」


男二人が入るには流石に一般家庭の浴室は狭すぎた。けれども構わずに乾はバスルームの扉を閉めると、湯船に浸かっている海堂を見下ろした。前髪が濡れていて額に張り付いている。それがひどく海堂を幼く見せた。可愛いと、思った。
「確かに狭いな。でもその方が、都合がいい事もあるんだよ」
「…都合って……」
何となく乾が思った事が分かってしまって、つい海堂は身構えてしまう。けれども浴室に乾を入れた時点で、それはもう無意味な事でしかなかったのだが。
「都合だよ、海堂。こんな風にね」
「―――っ!」
乾は海堂に近付くとその手を掴んで自分へと引き寄せた。そのまま髪に一つキスをすると、湯船の中に身体を入れる。ザバーっと水が零れる音と共に、乾は二人で入るには狭すぎる場所に強引に入ってくる。そうしてひょいっと海堂の腰を背後から掴むと、そのまま自分の後の上に乗せた。
「…せ、先輩っ!」
軽々と一連の動作をやられてしまったので、悔しさが一気に込み上げて来る。こんな所で体格と力の差を見せつけられては叶わない。抵抗しようと暴れたが、いかんせん狭すぎて手足を風呂桶にぶつける結果にしかならなかった。
「こんな風に密着できるしね」
「…あっ……」
耳元で囁かれたと思ったら、そのまま耳たぶを軽く噛まれた。じわりとした痛みが海堂を襲う。けれどもそれは痛みだけでは、なかった。
「…って先輩…まさかここでヤル…んすか?……」
「嫌?たまにはいいでしょ?こういうのも」
よくねーよ…と海堂は口にしようとしたがそれは叶わなかった。乾の手が海堂の胸の果実に伸びて、そのまま指で摘んだからだ。親指と人差し指で摘まれながら、引っ張られるように摘まれる。それだけで不覚にも海堂の息は上がってしまった。
「…やっ…止め…先輩っ……」
刺激から逃れようと身体を捩れば、ぴちゃりと湯が跳ねる。それが当たって、海堂の頬を濡らした。ぽたりと雫が垂れて、頬から顎へと伝ってゆく。それを片方の指でなぞりながら、乾は尚も胸の突起を甚振った。
「…やぁっ…あっ……」
「身体が熱くなっているせいかな?何時もより息が上がるのが速い」
「…うっ…うっせー…っ……」
「それに胸の鼓動も早くなっている」
「…はぁっ…ぁっ……」
大きな手が海堂の左胸を撫でた。そのまま乳首に辿りつくと指で挟むように擦りつける。それだけでぴちゃりっと水面が跳ねた。海堂の身体が、跳ねたせいで。
「こっちも何時もよりも早いのかな?」
「―――あっ!!」
びくんっと海堂の肩が跳ねたと同時に、乾の手が海堂自身を包み込んだ。微かに形を変えたソレを大きな手のひらが包み込んでゆく。けれどもそれはいつもと違って液体の中で行われているせいで、ダイレクトに動きを感じられなかった。強く擦られても水に隔たれているようで、ひどく柔らかい愛撫に感じられた。
「…はぁっ…あっ…あぁっ……」
それでも身体は煽られてゆく。快楽はじわりと這い上がってくる。予想とは違う刺激が、もどかしいほどの愛撫が、海堂に熱を灯らせさせる。
「どう?海堂。気持ちいい?」
「…変な…感じ…だ……」
「変って?どんな風に?」
「…なんか…ふわふわ…して…る……」
自分で言いながら何を言っているんだと海堂は思った。普段なら絶対にこんな事は言ったりしない。でも今はそれを制御する術を知らなかった。本当に頭の中がぼんやりとしてきて、宙に浮いているような感じなのだ。
湯船には半分しか浸かっていないというのに。なのに下半身だけが熱くて、蕩けるような感覚。それがゆっくりと上半身に這い上がり、思考を溶かしてゆくのだ。
「ふわふわ?でも気持ちいいでしょ?」
海堂はその問いには答えなかったが、その表情が全てを物語っていた。熱に浮かされたように潤んだ瞳、艶やかに濡れた唇。そして途切れる事無く零れる甘い吐息。
「…あっ…はぁぁっ!」
指先で自身の先端をピンっと弾かれた。けれどもやっぱり湯船の中で行われているせいで、それは強い刺激にはならない。中途半端な痛みとなって海堂を襲う。けれどもそのもどかしさが却って神経を尖らせるのだ。少しでも刺激を逃したくないようにと、感覚だけが敏感になってゆく。意識は既に溶かされていると言うのに。
「…あぁっ…先輩…はぁっ……」
「こっち向いて、海堂。キスしてあげるから」
言われて海堂は素直に乾の方へと顔を向けた。向ける際に髪先から水滴が飛び、乾の眼鏡に当たった。それは既に湯気で曇っていたが…目の前の海堂の姿だけはきちんと捉えていた。海堂だけを、見ていた。
「…せんぱ…い…ふっ…んんっ……」
自ら舌を出してきた海堂に乾は答えるために自らのそれで絡め取ってやる。二つの舌は直に深く絡まった。ぴちゃぴちゃと濡れた音が浴室に響き渡る。その音がひどく海堂の耳に届いて、鼓動を早めさせた。どくんどくんと、心臓が響いている。濡れた音と、同時に。
「…くふっ…んんっ…んんんっ!」
舌を絡めながら乾は海堂自身から手を離すと、その後にある秘所に指を滑らせた。既にひくひくと息づいているソコに。水と同時に指が中に入ってきて、一瞬海堂の身体を硬直させる。けれどもそれは中を掻き分ける指の動きですぐに解けていったのだが。
「…く…んっ…はぁっ…あぁんっ…んん……」
中に入った水のせいで、与えられる刺激が何時もと違う。それが海堂を焦れさせた。耐えきれずに自ら腰を動かし、より強い刺激を求める。それに答えるように中の指の本数を増やしてやっても、海堂の動きは止まらなかった。いや、止められなかった。
「…もう、我慢出来ない?……」
「…せん…ぱいっ……」
「指じゃ、足りない?」
乾の言葉に海堂は耐えきれず視線から逃れるために横を向いた。向いたまま、小さく。小さくこくりと頷く。頬を朱に、染めながら。
「くす、よく出来ました」
そんな海堂を何よりも愛しい瞳で見つめながら、乾は一つ唇にキスをした。そしてゆっくりと、彼の中に挿っていった……。


指とは比べ物にならない絶対の存在感に海堂は一瞬だけ安堵の溜め息を漏らし、そのまま突き上げられる刺激に喉を仰け反らせて喘いだ。水に覆われ微妙に熱の伝わりが何時もと違ったけれど、それでも自分の中に乾の存在があると思えればそれだけで感じられた。
「…あああっ…あぁぁっ!……」
ぴちゃぴちゃと水が、跳ねる。突き上げられる振動で、水面が揺れる。それが海堂の身体に、頬に、髪に零れた。その水滴が快楽の為に零れた涙と、飲みきれない唾液と、交じり合ってぽたりと水面に落ちてゆく。
「…先輩っ…せんぱ…いっ…あぁ…あ……」
身体に伝う水滴を指で掬いながら、乾はそれを塗りこむように胸の突起に擦りつけた。その刺激のせいで痛いほどに海堂のソレは張り詰め、真っ赤に色付いた。
「海堂、可愛いよ。海堂」
「…はぁぁぁっ…ああああっ……」
「大好き、だよ」
「――――ああああっ!!!」
どくんっと弾けたような音が身体の奥に響き、海堂はその熱さを感じながら自らの身体を強く痙攣させた。


「―――のぼせちゃった?」
はあはあと荒い息を吐きながら自分に体重を預けてくる海堂に乾はそう尋ねた。けれども答える事すら出来ないようで、海堂はただ乾に凭れかかるだけだった。
「でも良かったでしょ?」
そんな海堂を何よりも優しい瞳で見つめながら、そっと髪を撫でてやった。乾は海堂の返答を求めてはいなかった。ただ今は。今は愛しさだけがこみ上げてきて、優しくてやりたいと思うだけで。
だから何度も髪を撫でながら、小さなキスを顔一面に降らした。キスの、シャワーを。

BACK HOME 

  プロフィール  PR:無料HP  合宿免許  請求書買取 口コミ 埼玉  製菓 専門学校  夏タイヤを格安ゲット  タイヤ 価格  タイヤ 小型セダン  建築監督 専門学校  テールレンズ  水晶アクセの専門ショップ  保育士 短期大学  トリプルエー投資顧問   中古タイヤ 札幌  バイアグラ 評判